技術と工学は違う?
「理科離れ」ということばが普及して久しい.
大学入試で「理科」といえば数学は含まないが,「理科離れ」の「理科」は間違いなく数学を含んでいる.
「理系」あるいは「理科系」といえば---厳密な意味はともかく---間違いなく数学も含むと解釈されるから,誤解の心配がなく,簡潔な表現として使用されているのだろう.
さて,米国でも,いつの頃からかは定かではないが,日本の理科離れ対策と同様の場面で STEM を目にすることが多い.
STEM は Science, Technology, Engineering and Math のことである(Math = Mathematics).日本語にすれば,“科学,技術,工学,数学”である.
概して,日本語では,ことば(用語)が長い場合,その一部を抜き出して全体を代表させることが多く,英語では,単語の頭文字をつなげて短くしつつ,発音しやすくすることが多い.理科とSTEMはこの例に入る.
このような,ことばの簡略化に際しての,日本語と英語の相違も興味深いが, STEM について僕が興味を持ったのは,日本語では明確には区別されておらず,ほぼ同じ意味で用いられることの多い technology と engineering が両方とも登場することである.両方ともが登場していることから分かるのは,英語においては, technology と engineering は別物であるということである.
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