文化

2019年7月25日 (木)

「和製英語」はおかしな表現である

「和製英語」を日本語として素直に解釈すると「和製の英語」となる。

つまり、「作られたのは日本だが、英語である」という意味であると捉えるのが自然である。

しかし、実際の意味は、国語辞典で「日本で、英語の単語をもとに、英語らしく作った語。」と説明されているとおり、「英語のようだが英語として通じない、日本でのみ通じる語」である。

「電気自動車」が「電気で動く自動車」、つまり特定の方式の「自動車」であるように、あるいは、「携帯電話」が「携帯可能な電話」、つまり特定の利用形態が可能な「電話」であるように、「和製英語」を自然に解釈すれば、「日本で作られた英語」、つまり特定の文化内で作られた「英語」であるはずである。

には、「英語風日本語」とでも表現するの方がいいように思う。

※このほかの「おかしな表現」については、「ノオト:加速度的に」や「ノオト:「難易度が高い」は無意味な表現」も参照してください。

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2019年6月 3日 (月)

時代を先取りしすぎていた。38年早すぎた?

上着なし、あるいはスーツにノーネクタイなど、社会的に軽装が許容されるようになって久しい・・・・20年以上か?

今年は、仕事もスニーカーでOKとのニュースが耳に目に入ってきた。

は既に38年前に、スーツにノーネクタイ、そして革靴ではなくスニーカーという出で立ちで出かけたことがある。
友だちからは、変だと言われた。

それは実のところ、主義や主張や思いがあってのことではなく、ある意味あまのじゃくで、悪くいえば無知で世間知らずで、よくいえば自分の感覚に素直に、服装を選択しただけであった。

冗談まじりにいえば、僕が時代を先取りしていたといえる。
ひとと社会の関係でいえば、社会からの制約が弱まって、ひとが自由になれたひとつの側面といえる。
ただし、ネクタイはNGとか、スニーカーじゃなきゃダメとなってしまっては、制約の基準が変わるだけで制約の強さは変わらないことになるから、制約を弱める(自由が拡大する)ことに注意を向けるべきだと思う。

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2019年5月14日 (火)

アメリカ人にも、チップは難しい?

アメリカ合衆国(米国)の雑誌「Consumer Reports」の2019年2月号に、チップに関する特集記事がある。チップの作法(マナー、エチケット)が解説されている。

アメリカ人には当たり前の習慣だと思っていたから、特集記事で解説されていることに、驚いた。
チップは日本にはない習慣だから、チップの習慣のある国に行った際にはもチップには悩まされているが、まさか、アメリカ人にとっても難しいとは、驚いた。
驚いたと同時に、何事も、外から見るのと中にいるのとでは違うものなのだな、と思った。

さて、その記事を読んで、ホテルに宿泊した際の部屋係(ハウスキーパー)へのチップについて発見があった。

以前、アメリカ事情通の日本人が書いている記事で、部屋係へのチップについて読んだことがある。
そこには、ベッドにチップを置くのは日本人だけであり、アメリカ人でそのようにする人に会ったことがないというような話が書かれていた。
僕は、へぇーそうなのかーと納得し、自分がアメリカでホテルに泊まった際に、ベッドにチップを置いてきたことを振り返って恥じ入った。

しかし、上記の Consumer Reports のチップ特集には、部屋係へ向けてチップを置くのが普通であるように書かれている。
毎日$3から$5を、「For housekeeping」のメッセージを添えて置くように薦められている。
つまり、そのアメリカ事情通は、本人の周囲の情報を、あたかも皆がそうであるかのうように一般化してしまったようだ。

僕自身を含めて、個人の考えは常に偏見である可能性があるということだろう。
人々のコメントを信じ切ってはいけないのだなと、改めて思った。

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2018年12月11日 (火)

【提案】日本流、ワインの美味しい飲み方

以前から、ワインの飲み方について思っていることがある。
少なくともある年齢の日本人であれば難なく行なうことのできる、日本人ならではの飲み方をすれば、慣れない飲み方をしてむせることもないのではないかと。
そして、はそれをときどき実践している。

赤ワインを美味しく飲むためのヒュルヒュルに代わる方法についての話である。

赤ワインは空気と混ぜながら飲むと美味しいと言われており、確かに、以前交流のあったフランス人の知人も、(いつもではなかったと思うが)そのように飲んでいた。
ワインを口に含み、口をすぼめて舌を丸めて、空気を吸い込みながら、ヒュルヒュルと(音を立てて)飲む飲み方である。

ワインと空気をよく混ぜればよいのであれば、お茶などの熱い飲み物を飲むときのズルズル飲みをすればよいのだと思う。
ズルズル飲みの習慣のない人は、その飲み方が難しいからできないだけであるから、日本人ならズルズル飲みをすればよいのではないかと思う。

長年、ひそかにこのような持論があった僕は、映画「ジャコメッティ 最後の肖像」(原題 Final Portrait)で登場人物がワインを飲むシーンを見てうれしくなった。

ジャコメッティ(Alberto Giacometti)や、ジャコメッティと仲のいい女性たちがみな、まるで日本人が熱いお茶を飲むときのようにズルズルと、赤ワインを飲んでいたのだ。
すばらしい芸術家だが、決して上品とはいえず、粗暴なジャコメッティと、そのようなジャコメッティと気の合う女性たちが行なっていたことだから、そのような飲み方がマナーに合っているかどうかは疑問ではある。
しかし、日本流の上品なズルズル飲みをするならば、そして、そのズルズル飲みの上品さが理解されるなら、ワインの飲み方としても受け入れられるのではないかと思う。

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2017年8月18日 (金)

日本とバンクーバー(カナダ)の対比

Vancouverbus

2017年7月にカナダ・バンクーバーを訪れた。そこで感じたことをランダムに記す。

●車のクラクションが多い(日本と比較してかなり多い)。

●完全に、そして徹底して、車は人を優先する。ただし、信号無視の歩行者には容赦なくクラクションが鳴る。

●日本では、横断歩道で止まってくれている車に申し訳ないと思い、会釈などするが、バンクーバーではそれをするとむしろ違和感がある。なぜなら、歩行者が優先されるのが当然だからである。

●信号の切り替わり間隔が、日本に比べるととても短い。だから、信号待ちの時間が苦にならない。

●信号機は、トロント(カナダ)と同様に、カウントダウン型が多数派である。

●トロントほどは街がきれいではない。街の中のゴミ箱が、トロントに比べると少ない。

●路線バスの降車合図方式は、ローテクだ。(日本の路線バスと同様の降車ボタンが少数設置されてはいるものの)基本的には、バスの前後長の半分ほどの長さの黄色い紐が左右の窓沿いに張られていて[上の写真(クリックで拡大)を参照]、それを引いて合図する。紐の先がスイッチにつながっていて、紐を引くとスイッチがONになる構造である。天井の蛍光灯をON/OFFする紐にさらに紐を付けて長くして、立ち上がらなくても天井蛍光灯をON/OFFできるようにするのと同じ方法である。咄嗟には、ローテクすぎて可笑しいと思ったが、改めて考えると、ローテクだからこそ、故障しても修理箇所は少なくて済むし、何より、紐が切れれば故障だとすぐに分かる。ハイテクに対するローテクの優位性の一面を見た気がする。

●SkyTrainという電車は、走行音がうるさく、揺れが激しい。(後で調べて知ったのだが、無人の自動運転だそうだ。とはいえ、走行音のうるささと揺れの激しさは、無人運転とは別問題である。)

●SkyTrainには、車椅子でも介助なしで乗れる。ホームと電車の床の段差がほとんどないから、そうできる。電動車椅子の人が、何ごともないようにするりと乗車するのを見た。(日本では、車椅子の場合には、駅員が介助する。乗車駅と降車駅で駅員が介助する。駅員の負担もさることながら、乗る人が受ける制約が大きいと思う。その点、SkyTrainは誰でも気軽に利用できるのがいい。)

●SkyTrainの窓ガラスには "For Your Safety - Please Hold On" と書いてある(「安全のために、つかまって下さい」)。日本語表現と対比すると、「何を」つかまるとは書いてないのが興味深い。日本ならば「手すりやつり革に」と書くところである。

●SkyTrainの、空港と市内を結ぶ路線 Canada Line には、Langara 49th Aveue という駅がある。その駅を表わす車内アナウンスは "Langara 49th" だけだった。それでいいと思った。なぜなら、日本では長々と正式名称を英語アナウンスするのをよく聞き、そこまで長々と言われるとかえって分かりにくいのではないかと、かねがね思っていたからだ。JR常磐線で水戸駅に着く前の乗り換え路線アナウンスの "Kashima Rinkai Tetsudo Oarai Kashima Line" や、同じく勝田駅に着く前の乗り換えアナウンス "Hitachinaka Kaihin Tetsudo Minato Line" は、正確さを重んじすぎて分かりにくくなっている例であろう。

●チェーン店のサンドイッチショップ Tim Horton で学んだ英語表現がある。Ham and Cheese Sandwitch を注文したところ、"Crisp, or grilled?" と聞かれた。咄嗟には意味が分からなかったので尋ねたら、パン(バゲット)を加熱しないのがクリスプで、温めるのがグリルドとのこと。日本の感覚だと、オーブンレンジで温めるとパリッとするのでクリスプという感覚だから、意味が反対になる。現地の意味を解釈すると、温めないとバゲットの硬さが残るからクリスプということのようだ。(メニューから判断すると Tim Horton は、サブウェイのライバルチェーン店のようだ。)

●(これは外国一般にあてはまることだと思うが)一人で旅している人は、まず間違いなく日本人である。

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2017年4月 2日 (日)

古典的作品の現代語訳、外国語作品の翻訳

のメモから判断すると、2013年6月だったと思う。

遠野物語(オリジナルは柳田国男著)について、京極夏彦は、京極夏彦×柳田國男『遠野物語remix』とし、現代語訳とはしなかった。
そのことについて、TBSテレビ「王様のブランチ」でインタビューに答えていた。

現代という環境や文化に生きる人々に通じる書き換えをしたかったのだという。
翻訳しても、恐怖感などが伝わらないからだという。

その通りだと思う。

このことは、外国語の翻訳にもあてはまる。
翻訳しても、文化の違いによって伝わり方があったく異なってしまう。あるいは伝わらない。

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2016年8月10日 (水)

カナダのエレベーターと,エレベーターでの出来事

Torontoelevator写真(クリックで拡大)は,カナダの中級ホテルのエレベーター内で撮った写真である.
アメリカやヨーロッパでもそうらしいが,13階がない.

日本でも昔は,病院などで「4」の付く部屋番号がなかったが,現在の日本では特に「4」を避けている様子は見られないから,カナダなどでの13嫌いは根が深いようだ.

余談だが,写真のエレベーターに乗っていたのは,1階(ロビー階)から乗ったひとりである.

では,なぜ多くの階のボタンが押されているかというと(写真を撮るのが遅くなったが,2階のボタンも点いていた),修学旅行らしき,北米人らしき中学生の男子集団が上の階から降りてきて,その中の一人が,1階で降りる前にたくさんの階のボタンを押すというイタズラをしたからだ.

タイミング悪く,僕はその直後にエレベーターに乗ることになった.

国を問わず,男子はバカなイタズラをするものなんだなーと面白くなり,この写真を撮った.

15階を目指していた僕は,流石に,ほぼ各階停車に乗るのは避けたかったから,3階で降りて,隣のエレベーターに乗り換えた.

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2016年1月31日 (日)

コンピューターの文章読み上げ機能における英語の発音

まずは経緯から.本題は後半に.

Appleのコンピューター(OS Xのマック)に標準搭載されているスピーチ機能(読み上げ機能)を利用すれば,ある文章を読むときの所要時間をあっという間に見積もることができる.

これは,知人Uに教えてもらったことである.

僕には目から鱗が落ちる方法だったので,早速試してみた.
(が使ったのは OS X 10.10 (Yosemite))

ちょっとした設定をした後に,任意のアプリケーションでテキスト(文章)を選択すると,"サービス"メニューに「スポークントラックとしてiTunesに追加」が現われ,選べるようになっている(マウスの右クリックでもよい).
保存ダイアログで保存ボタンをクリックすると iTunes.app が(背後で)自動的に起動し,しばらくすると保存完了音が鳴る.
iTunes.app に切り替えると,そこには音声ファイルが追加されており,音声ファイルの長さも表示されている.

さて,本題である.本題は,読み上げさせて分かったことである.

読み上げに際しては話者を選ぶことができる.
試みに,日本語と英語の交ざった文章を英語担当のAlexに設定してみたところ,日本語にはまったく刃が立たずに,英語はいい感じで読み上げてくれた.

次に,日本語担当のKyokoに設定してみたところ,面白いことが起こった.
日本語はもちろんのこと,英語にもちゃんと対応しているのだが,日本人らしい発音の英語なのだ.
英語をローマ字として読むのではなく,英語を英語として認識しているが,日本人らしい発音なのだ.
例えば,senseの発音は [sens] であって,子音で終わるが,Kyokoは [sensu],つまり片仮名書きの「センス」として読む.
また例えば, "but it will be fine tomorrow" を読ませると,「バッイッウィオビファイントゥモロゥ」ではなく「バット,イット,ウィルビー,ファイン,トゥモロー」と読む.

日本語担当にはOtoyaも選択可能なので選んでみたところ,Otoyaも日本人らしい発音だった.

今のところ,(OS X Yosemiteには)日本語と英語のバイリンガルな話者はいないようだ.

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2015年9月14日 (月)

辞書の引き比べ

の10代から20代の時期は,辞書(辞典)を引いて行なう遊び(ゲーム)が流行っていた.

友だち同士ばかりか,辞書引きゲーム単独で成立していたテレビ番組(「たほいや」)もあった.

さて,当時のこととは無関係だが,手元の国語辞典と英語辞典を引き比べてみたところ,提供しようという情報の違い,広げていえば文化の違い,を感じたので記しておこうと思う.

国語辞典は「スーパー大辞林」,英語辞典は "New Oxford English Dictionary" で,どちらも Apple の OS X (Yosemite) に標準で付属しているものである.

国語辞典で「ヒストグラム」を引くと,

「統計資料の度数分布図の一。横軸に階級を,縦軸に度数を取り,度数分布の状態を長方形の柱で表したグラフ。柱状グラフ。」
と,正確さよりもおおまかなイメージを伝えようとしているようである.一方,英語辞典で "histogram" を引くと
"a diagram consisting of rectangles whose area is proportional to the frequency of a variable and whose width is equal to the class interval."
というように,「統計」などのキーワードに触れることもなく,淡々と正確な定義が書かれている.

上の2つの説明について補足すると,国語辞典の説明は,僕も学生時代はそうであったのだが,〈ヒストグラム≒棒グラフ〉という漠然とした不正確なものである.一方,英語辞典の説明では,長方形の面積が度数に比例し,長方形の幅が階級幅に等しいように描かれたグラフ,となっており,ヒストグラムが,単に度数を棒グラフ化したものではないことが明確に述べられている.

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2015年9月 7日 (月)

六本木ヒルズ,森美術館の特殊な事情

美術館では写真撮影が認められていないことが多いから,作品が印象的だったり,インスパイアーされたりした場合には,はメモ帳に書いたり描いたりする.

森美術館を訪れた際,作品の前でメモしていたら,椅子に座っていた監視員が静かに近づいて来て,僕に丁寧に尋ねた.「ボールペンをお使いですか?」と.

咄嗟には状況が把握できずに戸惑っていると,ボールペンの使用は禁止だが,鉛筆なら構わないとのことで,使い捨ての鉛筆を渡してくれた.

ボールペン禁止は,展示作品とどのような関係があるのか,理由が気になったので,美術館を出るときにスタッフに訊いてみた.

すると,展示作品の問題ではなく,森美術館では常にボールペンの使用を禁止しているとのこと.
(ということは,僕はそれまで幾度か,禁止されていることをしてしまっていた.失礼しました!)

地上230メートルの高層階にあり,気圧が低いため,ボールペンのインクが飛んで作品にかかってしまうトラブルを未然に防ぐためだそうだ.

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