ことば

2019年6月10日 (月)

「幸せ、ああ」か、それとも「ああ、幸せ」か

Kirinitibansiboriaasiawase1年以上前から、ビール「キリン 新・一番搾り」のポスターに違和感を覚えていた。

ここで紹介したいと思いつつも、そうせずにいたから、そろそろ、の感じた違和感も賞味期限を過ぎてしまったかな、と思った。

しかし、まだ、僕が違和感を覚えたポイントは変わっていなかった。

画像[クリックで拡大]は、つい先日の写真である。

みなさんは、ポスターに書かれている「ことば」、モデルさんの背後に筆書きで書かれている4文字の「ことば」、を何と読むでしょうか。

僕は「幸せ、ああ」と読んでしまう。ポスターの意図としては「ああ、幸せ。」なのだが…。

僕がそう読んでしまう理由を分析すると、縦書きだから右の行から左の行へという無意識の判断があるのだと思う。

だから、自然に読めるポスターとするには、現状の

 あ  幸
 あ  せ。

ではなく、

 幸  あ
 せ  あ

とする方がいいと思う。

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2019年4月16日 (火)

ことばを真に受けてはいけない:「きょうは気温上がりません」

のメモにあるのは2017年11月17日だが、この手の表現は、いつでも、そこかしこで聞く(見る)ことができると思う。

この、厳しくいえば嘘となることばを聞き、嘘とは捉えずに真意を汲むことができるのには、「ノオト:不可能?それとも禁止?」と共通する部分があるかもしれない。

「きょうは気温上がりません。」と言っているが、上がらないわけではなく、あまり上がらないだけである。

その時点で10℃、予想最高気温14℃の日の、朝7時台の気象情報にて。

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2019年2月19日 (火)

ひとつだけ違う

●ひとつだけ違う(その1)
プロ野球12球団のうち、ひとつだけ他と異なる球団がある。
それは広島である。
なぜなら、広島だけ、球団の英語名が「s」で終わらない。
耳学問によれば、広島の英語名が Carps だったことがあるそうだが、現在では Carp である。

●ひとつだけ違う(その2)
都道府県名は、「茨城県」を「茨城」、「東京都」を「東京」というように、都府県抜きで呼ばれることも多い。
ただ、「北海道」だけは「北海」とは呼ばれない。

●ひとつだけ違う(その3)
都道府県名の最初の漢字の読みが3音節なのは茨城県のみである。
他は1音節か2音節である。
そのためか、本来は「いばら」+「き」なのだから、たとえば
 「茨城交通」→「茨交」→「いばらこう」
であるのが論理的だが、実際は
 「いばこう」
である。
かく言うも、子どもの頃は「いば」+「らき」だと思い込んでいた。

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2018年12月22日 (土)

読み取り専用なのに書き込み可能!?——スマホの性能表示にショック

最近、スマートフォンの性能表示に戸惑い、そして、その意味を知りショックを受けた。

(ざっくりと言えば)各大学にコンピューターが1台ずつしかなかった時代、つまりパソコンが存在しなかった時代に最初にコンピューターに接したの頭に、長年にわたり深く刻まれており、まったく更新していなかったことばの意味が、いつの間にか変化していたのを知りショックを受けた。

家電量販店で見た、Androidスマートフォンの「ROM」のことである。

僕の認識は、広辞苑(第7版)でも説明されているとおり、「(read only memory)読み出し専用の記憶装置。書き換える必要のないデータを保存するために用いる。」であった。
だから、読み出し専用の(つまり写真などを保存することのできない)メモリーが32GBもあるってどういうこと?と戸惑ったのだ。

インターネット検索で調べてみると、どうも、その「ROM」は「データ容量」を表わすようなのだ。

〈解説記事の例〉

つまり、パソコンでいう「メモリー 8GB、ディスク容量 512GB」の「ディスク容量」に相当する部分を、Androidスマートフォンでは「ROM」と表現しているようだ(ちなみに、パソコンの「メモリー」は、Androidスマートフォンでは「RAM」と表現されている)。

ことばの意味は時とともに変化することを思い知らされたできごとであった・・・・・と同時に、上に引用した記事にも書かれているように、データ容量をROMと表現するのは日本ローカルのようであるから、文字通りの意味との矛盾を解消し、ことばの信頼性を維持するためにも、別の表現を考えてもらいたいとも思う。

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2018年12月20日 (木)

聴き逃すことのできるサービス?

NHKラジオ らじる★らじるには「聴き逃しサービス」がある。

ラジオ番組中でも、「聴き逃しサービス」が案内されている。

「汚名挽回」が、厳しくいえば間違った表現ではあっても、意味はすんなりと頭に入ってくるのと同じように、この「聴き逃しサービス」も、意味はすんなりと頭に入ってくることは認めざるを得ない。

しかし、「汚名挽回」と比べて分かりやすいことばだからこそ、「聴き逃しサービス」には違和感が残る。
「聴き逃すことのできるサービス」という、おかしな意味を聞き取ってしまう。

「聴き逃し(た番組の聴き直し)サービス」ということだと思うが、なぜ、「聞き直しサービス」にしなかったのかが疑問である。

強いて好意的に解釈するなら、
 「聴き逃し(をサポートする)サービス」
  ↓
 「聴き逃し(た人をサポートする)サービス」
ということかもしれない。

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2018年12月 6日 (木)

山手線の新駅の駅名:ナワウェイ? タカゲー? ナワゲー?

2018年12月4日、JR東日本が、山手線の田町駅と品川駅の間に建設中で2020年の開業を予定している新駅の駅名を発表した。

その駅名は公募されていたから、応募好き[*]のも応募した。

[*] 「ノオト:キャラクターの愛称」を参照。


決定した駅名の発表日は強く意識していなかったから、ラジオで不意に駅名決定のニュースが流れた際には、ボリュームを大きくして聞き入った。

残念ながら僕の応募した駅名は選ばれなかった。

決定した駅名は、僕はもちろんのこと、世間の大方の予想を裏切ったものだったようで、インターネット上で盛り上がっているそうだ。

決定した駅名「高輪ゲートウェイ」は、僕がまったく予想もしなかった長さ、作り方だから、悔しい気持ちはない(僕が応募した駅名は、ひらがな3文字だった。)

だから、今の僕の関心事は、記事〈山手線新駅「高輪ゲートウェイ」ネット騒然 「ナワゲー」「タカゲー」…名称どう略す?〉でも話題にされているように、人々がどう略すのかという点にある。

すぐにひらめくものはないが、上記記事の著者の予想に対抗して、「ナワウェイ」「タカゲー」「ナワゲー」以外の略称をひねり出すなら、「ゲート」になるだろうか。

しかしながら、恐らく「タカゲー」になるのではないかと思っている。

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2018年11月28日 (水)

外国人や人工知能には理解が難しそうな日本語表現(JRの例)

「●●●する際には、○○○してください。■■■する際には、□□□してください。」

この「●●●」と「■■■」、そして、「○○○」と「□□□」には、それぞれ対応する表現が入るのが自然である。

例えば、

「キャップを開ける際には、左に回してください。キャップを閉める際には、右に回してください。」
「電源を入れる際には、赤いボタンを押してください。電源を切る際には、赤いボタンを長押ししてください。」

などのように、である。

ただし、自然なことば(自然言語)では、文法に収まらない例外があるから、上の例のような、外国人にも分かりやすそうな表現を使うことはほとんどない。


清水義範著「永遠のジャック&ベティ」(通販サイトAmazonへのリンクはこちら)は、の世代の中学英語教科書に出てくる表現のおかしみを、それを日本語に直訳することによって教えてくれた。

さて、JRでは、列車内の冷暖房効率を上げる目的で、電車のドアすべてを一斉に開け閉めすることはせず、乗降客自らがドアそばのボタンを押してドアの開け閉めをすることがある。

前置きが長くなったが、JR東日本で使われているアナウンスで、外国人や人工知能には理解が難しそうだと感じる日本語表現は次のものである。

(表現A)「ドアを開ける際には、ボタンを押してください。ドアを閉める際には、後ろのお客様にご注意ください。」

この表現Aを文字通りにとれば、次のように解釈することも可能であろう。あるいは、次のように解釈されてしまう恐れがあるだろう。

ボタンを押す → ドアが開く
後ろの客に注意を向ける → ドアが閉まる

人は、後ろの客に注意を向けるだけでドアが閉まるようなミラクルのことを言っているのではないと瞬時に理解し、すぐに別の正しい解釈にたどり着くのである。

表現Aの省略を埋めれば次のようになるだろう。

(表現B)「ドアを開ける際には、開くボタンを押してください。ドアを閉める際には、閉めるボタンを押してください。ただし、ドアを閉める際には、後ろにお客様がいらっしゃる場合もありますので、後ろに注意してボタンを押してください。」

このような長いアナウンスを避けたいというのが、人に通じるギリギリの線をおさえた表現Aなのだろうから、苦労を察することはできる。

しかし、僕としては、さらにギリギリの線を攻めて、次のような簡潔なアナウンスを提案したい。

(表現C)「ドアの開け閉めには、ボタンを押してください。」

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2018年11月13日 (火)

「ろげんりょく」とは、どのようなチカラ?


これは、テレビを文字通り「見る」ことが多いゆえの読み間違いである。

いつものように消音してテレビをつけ、タレントの半生を素材にしたトークバラエティーにチャンネルを合わせ、ふと画面に目をやると、

 「ロゲン力は弱い」

とテロップ(字幕)が出ていた。

「ろげんりょく」とはどのような「チカラ」だろう・・・?、どのような「チカラ」が弱いんだろう・・・?、と悩みつつ「見て」いたら、その後のやりとりから、

 「口喧嘩は弱い」

ということだと判明した。

参考までに、「くちげんか」と「ろげんりょく」を仮名漢字変換すると、それぞれ、「口ゲンカ」、「ロゲン力」となり、表示に用いられるフォントによるが、判別は困難であろう。

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2018年11月12日 (月)

「SNS」のカタカナ書きとして「エセネス」を提案

このノオトでかつて、「MVNO」を「ムーノ」と読むこと(「ノオト:How to pronounce MVNO? (MVNOの読み方)」)や、「BYOD」を「バイオッド」と読むこと(「ノオト:BYODの読み方」)を提案した。

今回は、それらと比較するとひねりがなくてそのまんまだが、「SNS」のカタカナ書きを、その読みの通りに「エセネス」とすることを提案したい。

以上。

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2018年11月10日 (土)

【私見】テレビで「おいしい」に代わり「うまい」が定着した理由

(1962年=昭和37年=生まれ)にとって、食べ物の美味しさを表現する「うまい」は丁寧なことばではない。

だから、テレビ番組でタレントが「うまい」というのを聞くのは、それが多用され始めた20年(?)ほど前は耳障りだった[註]。
そもそも、僕の世代以上にとって、食べ物が口に残ったまま話すこと自体が礼儀に反していた。
しかし、人は慣れという学習をするから、僕も、自分では使わないものの、ひとが使うのを聞くのにはほとんど抵抗がなくなった。


この「耳障り」も、20年前は悪い意味にしか使わなかったが、その後、「耳障りがいい」というようにいい意味の構成要素として使われているのも面白い。

抵抗がなくなったから、冷静に考えられるようになってきて、その結果、「おいしい」に代わって「うまい」が定着した理由が分かった(気がする)。

それは・・・
●食べたものを口に含んだまま「おいしい」と言っても、「おいひい」とか「おーひー」としか言えない(聞こえない)上に、口の中の食べ物が見えやすい。
●それに対し「うまい」なら、食べ物が口に入っていても言いやすく、仮に食べ物で明瞭に発音できなくても「んま」で十分に通じる上に、口を開く時間が短いから口の中の食べ物が見えにくい。
からだろう。

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