科学・技術

2017年4月 2日 (日)

ビッグ呼び出しベル

Bigcaller

日本では、順番の到来を知らせる呼び出しベルは、が初めて利用したとき(25年ほど前?)、既にコンパクトだった。

厚さはともかく、サイズはクレジットカード程度だった。

2011年7月に、米国フロリダのオーランド空港で利用した呼び出しベルは、思いのほかビッグだった(写真;クリックで拡大)。


【余談】日本から米国ロサンゼルス空港に着き、乗り継ぎをしてオーランド空港に移動したのだが、遅延なども発生しゴタゴタしていたのか、いまひとつ自信を持った乗り換えができなかった。そのため、飛行機に入ってすぐのフライト・アテンダントに、この飛行機は「オーランド」行きですよね?と確認しようと、「オーランド」を英語的に言った(強勢は「オ」)。すると、一瞬首を傾げられて、すぐに、隣のキャビン・アテンダントと目を見合わせて“オランドのことね。オーランドだって。”と笑われてしまった。フロリダ州オーランド(Orlando)は、現地ではオランド(強勢は「ラ」)と言うのだと、そのとき初めて知ったのだった。

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2017年3月26日 (日)

自動翻訳が不完全であることの便益

1ヶ月ほど前に次のようなメールが届いた。

┏━━━━━━━━━━
 親愛なるお客様、
 これはあなたのサービスが現在中断されたという通知です。 このサスペンションの詳細は次のとおりです。
 停止理由:アカウントに確認が必要

 今すぐ確認する:http://※※※※

 重要:
 ==========
 7日以内にサービスを更新しないと、サービスは永久に削除されます。
 すべてのアカウントは、データの機密性を確保するために完全に消去されます。
 その後、データを回復することはできません。
┗━━━━━━━━━━

後半こそ比較的自然な日本語になっているが、最初の2行には大いに違和感を覚える。

この違和感のおかげで、この詐欺メールを信じる日本人は稀であろう。

恐らく欧米語圏を活動拠点とするこのメールの差し出し者は、外国語メールには警戒する人々も自国語に対しては警戒を緩めると考えて、自動翻訳を利用したメール作成を考えたのだろう。

今のところ、意味の通じる翻訳はできても、自然な翻訳ができていないから助かっているが、今後、自動翻訳の性能が向上するにつれ、グローバル化する詐欺にあう危険性も高まるだろう。

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2016年9月 2日 (金)

文明の利器に潜む危険:トイレのハンドドライヤー

Jetairdryer1Jetairdryer2写真(クリックで拡大)は,カナダのトイレに設置されていたハンドドライヤーである(2016年7月).
(【余談】米国では公共の場のトイレを restroom というのが一般的だが,カナダでは washroom だった.)

最初に見たとき,すぐにはハンドドライヤーだとは分からなかった.
"dyson" のロゴに気づいて,ハンドドライヤーらしいと推測でき,興味津々で手を近づけたら,これまで体験したことのない,鋭く切れのいい風が,手の水滴をたちどころに拭い去ってくれた.

現在,日本で一般的なハンドドライヤーは,半開放型である.
上記の開放型が水滴を空間に吹き飛ばすのに対し,半開放型は吹き飛ばした水滴を受ける---ことを意図した---構造になっている.
半開放型には主に2つのタイプがあると認識している.

〈タイプ1〉
 ・手のひらが手前になるように,上から手を入れる.
 ・風が前後から出る.
 ・上下左右奥手前の6面のうち,上面と左右面が開いている.
〈タイプ2〉
 ・手を水平に,横から入れる.
 ・風が上から下に出る.手のひらの向きを上下に変えることで,手のひらと手の甲の水滴を吹き飛ばす.
 ・上下左右奥手前の6面のうち,手前面と左右面が開いている.

各タイプについて,が考える特徴は次の通りである.
(1) タイプ1よりもタイプ2の方が概して風が強力で,水滴がよく落ちる.
(2) タイプ1よりもタイプ2の方が,ドライヤー内壁部に手が触れてしまうことが少ない.
(3) タイプ1の方がタイプ2よりも,水滴が顔に飛んでくることが少ない.(タイプ1は腰の高さに,タイプ2は肩から胸の高さに設置されている.)

特徴(2)は,雑菌が付いているかもしれない内壁に触れてしまうことにより,折角きれいにするつもりがかえって雑菌をもらってしまう可能性に関係する.
特徴(3)は,雑菌が付いているかもしれない内壁から,雑菌が風で飛ばされてくるとか,自分の手から吹き飛ばされた水滴が内壁に当たり,壁に付いているかもしれない雑菌を伴って顔に飛んでくる可能性に関係する.

僕は潔癖症ではない---と自分では思っている---が,無用な感染は避けたいと思っている.
(【参考】「ノオト:コンビニレジのタッチパネル」)

だから,近年上記特徴(2)と(3)に対する意識が強くなった僕は,ハンドドライヤーがあっても使わないことの方が多い.

その点,カナダで巡り会ったダイソンのハンドドライヤーは,吹き飛ばした水滴を受けるという日本的発想(?)とは無縁な分,強力で,薄く,鋭い風で空間に水滴を霧散させるから,ドライヤー内壁に付いているかもしれない雑菌を気にすることがなく,気持ちよく使うことができた.

しかし!

ここには落とし穴があることを知った.

同様の記事がたくさんあるが,その一例として,"How Jet Hand Dryers Make Public Restrooms Even More Gross Than They Already Are"(公共の場のトイレのハンドドライヤーがトイレの衛生状況を悪化させること) を挙げておく.

要するに,ハンドドライヤーの強い風によって,手に付いた雑菌のみならず,空気中の雑菌がトイレ中に拡散し,衛生状況を大きく悪化させる可能性があるというのだ.

何事にも前提条件があるから,だからといってハンドドライヤーは使ってはいけないものであると直ちに結論づけることはできないが,一見した便利さに手放しで喜んでしまった僕にとって,教訓的な経験である.

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2016年1月31日 (日)

コンピューターの文章読み上げ機能における英語の発音

まずは経緯から.本題は後半に.

Appleのコンピューター(OS Xのマック)に標準搭載されているスピーチ機能(読み上げ機能)を利用すれば,ある文章を読むときの所要時間をあっという間に見積もることができる.

これは,知人Uに教えてもらったことである.

僕には目から鱗が落ちる方法だったので,早速試してみた.
(が使ったのは OS X 10.10 (Yosemite))

ちょっとした設定をした後に,任意のアプリケーションでテキスト(文章)を選択すると,"サービス"メニューに「スポークントラックとしてiTunesに追加」が現われ,選べるようになっている(マウスの右クリックでもよい).
保存ダイアログで保存ボタンをクリックすると iTunes.app が(背後で)自動的に起動し,しばらくすると保存完了音が鳴る.
iTunes.app に切り替えると,そこには音声ファイルが追加されており,音声ファイルの長さも表示されている.

さて,本題である.本題は,読み上げさせて分かったことである.

読み上げに際しては話者を選ぶことができる.
試みに,日本語と英語の交ざった文章を英語担当のAlexに設定してみたところ,日本語にはまったく刃が立たずに,英語はいい感じで読み上げてくれた.

次に,日本語担当のKyokoに設定してみたところ,面白いことが起こった.
日本語はもちろんのこと,英語にもちゃんと対応しているのだが,日本人らしい発音の英語なのだ.
英語をローマ字として読むのではなく,英語を英語として認識しているが,日本人らしい発音なのだ.
例えば,senseの発音は [sens] であって,子音で終わるが,Kyokoは [sensu],つまり片仮名書きの「センス」として読む.
また例えば, "but it will be fine tomorrow" を読ませると,「バッイッウィオビファイントゥモロゥ」ではなく「バット,イット,ウィルビー,ファイン,トゥモロー」と読む.

日本語担当にはOtoyaも選択可能なので選んでみたところ,Otoyaも日本人らしい発音だった.

今のところ,(OS X Yosemiteには)日本語と英語のバイリンガルな話者はいないようだ.

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2015年12月 5日 (土)

潜在危険デザイン,その後

Turnsignallamp
2009年12月4日の「ノオト:潜在危険デザイン」で,運動錯視(動きがないにもかかわらず動きがあるように見える錯覚)によって自動車ウインカーの指し示す方向を誤認識する可能性があることを述べた.

その後しばらくの間は,その考えをただ温めていたが,2013年春に,自動車業界関係者が集まる大規模な研究集会で発表し,潜在的危険性を訴えた.しかし,ただ理論的可能性を述べただけの主張は,多くの聴衆の心には響かなかったように思えた.

反応の悪さに発奮したは,すぐに,研究室の学生とともに,僕の主張の正誤を検証する実験を始めた.自動車後部を単純化したアニメーションをパソコンのディスプレイに次々と表示し,ウインカーの指し示す方向をできるだけ早く回答してもらう心理実験である.

実験の結果,僕の主張を裏付ける結果が得られたので,2014年春に,実験結果を携えて2013年春と同じ研究集会に臨んだ.実験結果を示したことで,前の発表よりは関心を持つ人は増えたようだが,反応のほとんどは実験の設定や方法に対する問題点の指摘であって,手応えはなかった.

とはいえ,ともかくも,ある状況の下ではウインカー誤認識の率が高まる,つまり,潜在的に事故の危険性が高まるという結果が得られたので,研究成果を改めて整理して学術雑誌に投稿することにした.査読者(=匿名の論文審査者)からの指摘とそれへの対応の数か月を経て,論文が採択され,さらに数か月を経た2015年11月に論文が公開された(参考までに,この辺りの時間経過は工学系論文の平均的な流れであろう).

【論文情報とPDF】
指示方向の判断エラーを誘発する恐れのある自動車方向指示器について, 電子情報通信学会論文誌 Vol.J98-D, No.11, pp.1402-1410 (Nov. 2015). DOI:10.14923/transinfj.2015JDP7013
[論文PDF]
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2015年10月17日 (土)

技術と工学は違う?

「理科離れ」ということばが普及して久しい.

大学入試で「理科」といえば数学は含まないが,「理科離れ」の「理科」は間違いなく数学を含んでいる.

「理系」あるいは「理科系」といえば---厳密な意味はともかく---間違いなく数学も含むと解釈されるから,誤解の心配がなく,簡潔な表現として使用されているのだろう.

さて,米国でも,いつの頃からかは定かではないが,日本の理科離れ対策と同様の場面で STEM を目にすることが多い.

STEM は Science, Technology, Engineering and Math のことである(Math = Mathematics).日本語にすれば,“科学,技術,工学,数学”である.

概して,日本語では,ことば(用語)が長い場合,その一部を抜き出して全体を代表させることが多く,英語では,単語の頭文字をつなげて短くしつつ,発音しやすくすることが多い.理科とSTEMはこの例に入る.

このような,ことばの簡略化に際しての,日本語と英語の相違も興味深いが, STEM についてが興味を持ったのは,日本語では明確には区別されておらず,ほぼ同じ意味で用いられることの多い technology と engineering が両方とも登場することである.両方ともが登場していることから分かるのは,英語においては, technology と engineering は別物であるということである.

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2015年9月 3日 (木)

時代の変化に気づく…携帯電話のカメラのこと

ビデオカメラや,デジタルカメラや,携帯電話のカメラの撮像素子(イメージセンサー)は,人間の視覚とは異なる光学的特性を持っている.

よく知られているのは,それらカメラの撮像素子が人間には見えない赤外光も感知できることだ.

携帯電話の赤外線通信はもちろん,テレビやエアコンのリモコンも,赤外光で信号を送っている.

赤外光だから人間には見えないが,カメラを通して見れば,通信していることを確認できる.

というわけで,例えばリモコンの電池が切れているかどうかを確認したいなら,カメラで確認できる・・・・はずだった.

しかし,現在のスマートフォンの場合,必ずしもそうではないということを知った.

スマートフォンにはアウトカメラ(通常撮影用)とインカメラ(自撮り用)が付いているが,アウトカメラでは赤外光を捉えることができない——のが一般的である——ことを知った.

その訳は,スマートフォンのアウトカメラは大変に進化していたということである.

よりきれいな写真や映像を撮れるようにするために,アウトカメラには赤外光をカットするフィルターが付いているようなのだ.

現状では,アウトカメラに比べてインカメラは性能が低いのが一般的で,インカメラには赤外光フィルターが付いておらず,だから,インカメラなら以前のカメラと同様に赤外光を感知することができる,ということのようだ.

知らないうちに,以前の常識(=カメラを通して見れば,赤外光がバッチリ!)が通用しない時代になっていた.

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2015年1月29日 (木)

デジカメの指紋

日経サイエンス2014年7月号に「デジカメの指紋」なる短い記事が載っていた.

他のあらゆる物理的実体がそうであるように,デジカメの画像センサーも,完全に均一に作ることはできない.

つまり,デジカメの画像には,デジカメに固有の“指紋”が残るというのだ.

記事には,その“指紋”を利用して,犯罪捜査に利用できる可能性が述べられている.

このことは,以前にこのノオトに書いた「ノオト:世界にただひとつ」や「ノオト:配置にやられた話→配置の工夫の話→傍受の話」に,多少通じるところがある.

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2013年11月 3日 (日)

タッチスクリーンのやさしさ

スマートフォンやタブレットのタッチスクリーンの利点は,指による直感的な操作が可能なところにある.
動かしたり拡大縮小したりが,マウスを使うパソコンよりも劇的に直感的だ.

また,文字入力が押しボタンではなくなり,軽いタッチで済むようになったから,一時は社会問題となっていた親指の腱鞘炎患者は確実に減っただろう.
電車内や集会場でのパソコンキーボード操作による迷惑音も減少しただろう.

このように,タッチスクリーンは人にやさしく,いいことずくめのようだ.

しかし,もちろん難点はある.
最大の難点は触感の不在である.

ちゃんと押したかどうかを,スクリーンを見なければ判断できない.

もちろん,音や振動で触感の代用とする試みはある.
しかし決定打はないから,キー触感のあるスマホが話題になる.
(タッチスクリーンのことではないが,操作と触感の関係については「ノオト:iPhoneのユーザビリティー」を参照.)

結局のところ,キーとディスプレイの形態(パソコンやフィーチャーフォン)からタッチスクリーン(タブレットやスマートフォン)に変わることで,人にやさしくなったのか.

事情は複雑だが,あえてざっくりと言えば,受動の立場では,格段に人にやさしくなったが,能動の立場では,あまりやさしくなっていないのではなかろうか.
それは,特に文字を入力しようとする際に,触感がないことが視覚的あるいは認知的な負荷を増大させ,そして,指をそっと添えておく(乗せておく)ことができないことが,指・手・腕の緊張をもたらし,運動制御的負荷を増大させているからである.

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2013年3月28日 (木)

潜在危険デザイン (その後)

ノオト「潜在危険デザイン」で,潜在的に危険な自動車のデザインについて述べた.そして,「しかるべき組織に報告してみようと思う」とも書いた.2009年12月4日のことである.

その後もずっと,そのことは頭の片隅に残っていて,時折思い出しては人に話してみたり,危険性を訴えるルートを探るなどした.

思い続けた甲斐があって,やっとの危惧を世間に問う機会が訪れる.それは,自動車技術会・2013年春季大会である.

参加するのは初めてだが,自動車業界の人々が集うこの会で発表すれば,僕の長年のモヤモヤをスッキリさせるきっかけとなるに違いない.

僕の発表タイトルは「進路変更方向の判断エラーを誘発する恐れのある方向指示器について」である.

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