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2013年8月20日 (火)

日本語の利点

以前のノオトで,日本は略語文化水準が高いと思うと述べた

略語ではない場合でも,用語として簡潔な表現が可能なのが日本語の特徴である.
その簡潔さは,何といっても漢字によってもたらされるものである.

1字に多くの情報が詰め込まれている表意文字であることと,その豊かな情報の割には音節数が少ないことが要因として挙げられる.

最近,辞書を引いていて偶然に知った英語がある.

それは,the ratio of the circumference of a circle to its diameter だ.

これは,日本で円周率と呼んでいるものである.
(は現在まで30年ほど,科学技術英文に接してきたが,オトナの科学技術から入ったためか,基本が抜け落ちていた.)

この英語表現をきっかけに落ち着いて見直してみると,円周率という表現はことばが足りない.
これまで,円周率という表現を少しも疑うことなく生きてきたが,冷静に考えると表意していない.
円周率は,略語であったのだ.

上記英文と照らし合わせると,略さずに言えば円周対直径率とすべきである.

さて・・・

用語の簡潔さの尺度として,発声の所要時間を計測してみた.
速すぎず,遅すぎないように,普通の速さで10回続けて読み,経過時間を10で割って用語の所要時間とした.

結果は以下の通りである.

円周率
 → 0.7秒
円周対直径率
 → 1.0秒
the ratio of the circumference of a circle to its diameter
 → 2.4秒

この結果を見ると,円周率としてπという簡潔な表記が欧米で普及した理由が察せられる.

「ノオト:分かっちゃいない」では,言語の観点から,欧米人に理解され得ない日本人の苦心について述べたが,円周率の日本語表現と英語表現を比べると,逆に,日本語には,欧米人には想像できない利便性があるといえる.

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