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2013年6月16日 (日)

分かりやすい表示

が目撃してきた歴史によれば,概して関東よりも関西の方がサービスが先進的である.

例を挙げれば,駅などの自動販売機でコインのまとめ入れができるようになったのも,ICカード(Suica,ICOCAなど)に子供用が導入されたのも,関西が先んじていた.

サービスへの要求が厳しい文化がサービスの向上を押し進めるのだと思う.

このように国内での地域差はあるが,日本という国は概してサービス先進国である.
(関西対関東でいえば要求の違いが実現の違いなのだろうが,日本全体の駆動力は親切心なのだと思う.)

最近(2013年6月)米国の日常に多少の時間,身を置いてみて,米国がまだサービス途上国であることを強く認識した.
ここでいうサービスとは,人間にとっての分かりやすさ,人間へのやさしさのことである.

もっとも,客が投資する金額に応じた対応(サービス)の区別が極端であるなど,均質性の高い日本の視点からすると単純な理解が困難な社会および文化構造があるから,サービス論議を単純化できないことも認めなければならない・・・.

さて,地下鉄電車内の路線案内と衣料品店のフロア案内を例に,日本と比べた米国のサービスの未成熟さを紹介しよう.

進行方向右側の(ドアの上に表示されている)路線案内に次のように駅が表示されているとする.

A駅==B駅==C駅==D駅

日本の電車なら例外なく,進行方向左側の路線案内は

D駅==C駅==B駅==A駅

となっている.つまり,

進行方向右側の路線案内:
A駅==B駅==C駅==D駅
 ←←←電車の進行方向

進行方向左側の路線案内:
D駅==C駅==B駅==A駅
 電車の進行方向→→→

のように,電車の進行方向と駅の並びが合うように,2種類の並びの路線図が掲示されている.

ところが,米国(例:ボストンの地下鉄)では,どちらも同じ路線図がただ掲示されている.だから,

進行方向右側の路線案内:
A駅==B駅==C駅==D駅
 ←←←電車の進行方向

進行方向左側の路線案内:
A駅==B駅==C駅==D駅
 電車の進行方向→→→

となっており,人にやさしくない表示となっている.
(例えば,B駅を出たとする.進行方向から判断すると,片や次はA駅,片や次はC駅となるのである.)

この説明は頭がこんがらがってしまうかもしれないが,落ち着いて考えれば納得してもらえると思う.
念のため,進行方向,進行方向右側,進行方向左側の補足説明のために次の図を示しておく.これは車両を表わしている.
┏━━━━━━━━━━━━━━━━
┃   進行方向右側

┃ ←進行方向

┃   進行方向左側
┗━━━━━━━━━━━━━━━━

次の話題に移ろう.この写真は衣料品店(2階建て,2012年オープン)のフロア案内である[クリックで拡大].
Floorinformation

日本だったらあり得ない配置になっている.

以上,米国のサービス後進性の例を紹介したが,これでも年々改善されている過程のスナップショットなのだと思う.つまり,表示がないよりはある方が便利という段階なのだろう.

参考までに,上記地下鉄電車内の路線表示と同様のことは,デトロイト空港のターミナル案内にも見られた.
ボードの両側にはまったく同じターミナル案内図が表示されていた.
だから,表示ではボードに向かって右にあるターミナルであっても,左に行かなければならなかったりするのだ.

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