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2012年12月20日 (木)

座席のパーソナルスペース

パーソナルスペースとは,自分のまわりの私的空間であり,そこに侵入されると不快感や緊張を覚える領域である.

こう言うと単純だが,パーソナルスペースは状況や気分に応じてダイナミックに変化するから難しい.

例えば親しさに応じてスペースの大きさが変化する.親しければ近くに来られても問題ないが,あまり親しくない人にそばに寄って来られると落ち着かない.つまり親しいほどパーソナルスペースは小さい.

混雑に応じた変化もある.混み合った電車の座席ならば,他人が隣にくっついて座っても問題ない.しかし,空いているのに隣にくっつかれると不快になる.

ここでは,乗り物の座席でのパーソナルスペースについて述べたい.リクライニングシートが並んでいる高速バス,特急列車,飛行機の場合である.

10年ほど前の経験から紹介しよう.東京から鳥取への夜行バスに乗った.所要10時間という乗車時間の長さはさておき,居心地の悪さを感じたのは次の2点であった.

1点目は,まだ宵の口であるのに,出発直後にすべての窓のカーテンを閉めさせられたことである.普段から夜更かしで,当時は明け方4時くらいまで起きていることも多かったは,夜景を眺めて旅の気分を味わいたかったところだが,早々に密閉された箱に入れられた気分で閉塞感を覚えるとともに,つまらなかった.これはパーソナルスペースとは無関係な話である.

2点目は,シートのリクライニングについてである.バスが発車して30分も経たなかったと記憶している.僕にとっては,いよいよ出発し,しばらく夜景を眺めようか,それとも音楽でも聴こうかと,長距離バスの旅の始まりを楽しんでいたとき,前の座席の人がシートを最大限に傾けた.3列シートの夜行運行仕様のバスだから,リクライニングの最大角度が大きくできていた(背もたれを大きく傾けることができるようになっていた).座席の前後の間隔が狭いから,背もたれを傾けていない僕からすると,(やや大げさだが)前の人の顔が僕のあごの下にある状態になった.(「ノオト:リクライニングの角度」も参照)

以上2点の理由から,午後9時前後で,僕が普段就寝する時間まで6時間もある時刻に,真っ暗な箱の中で宙を見つめるしかなかった.

話をパーソナルスペースに戻そう.

このように,座席のリクライニングは後ろの座席の人のパーソナルスペースへの侵入につながるから,自分の快適さのみを求めるのではなく,他人に及ぼす不快感をも考えたい.因みに,僕はこのような訳で背もたれを傾けないようにして以来,後ろの座席の人に迷惑をかける心配はない.

さて,いろいろ書いたが,最も言いたいのは次のことである.

頻繁ではなく,ごくまれではあるが,座席にじっと座っていて疲れた身体をほぐすために伸びをする人がいる.両手を上げる伸びなら何の問題もないのだが,自分の背もたれの上部に両手をかけて伸びをする人がいる.その時,その人の両手は背もたれの上部を通り越して後ろに侵入する形になる.後ろにいる者からすると,眼前で人の手が動いて気持ちが悪い.こう考えると,背もたれの前面は前の人の領分だが,背もたれの後面は後ろの座席の人の領分である.だから,手を背もたれにかけて背もたれの後面に侵入する行為はパーソナルスペースの侵害と言える.

この,背もたれへの手の侵入で,僕の最も不快な経験は,飛行機の個別モニター付きシートでのものである.前の人の手が背もたれを越えてこちら側に侵入してきたばかりでなく,手がモニターにまでかかり,僕が見ていた映画の一部をさえぎったのだ.温厚(?)な僕も,前の人に声をかけざるを得なかった・・・・本当は鉛筆で手をチクリとしてみたかったが,余計なトラブルになることを恐れて,そうしなかった(^_^;)

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