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2012年4月12日 (木)

TOEICスコア955点への道程

※ これは,(普段接している大学生たちと比べたら)ロートルの僕が,考えあって初挑戦したTOEIC受験の顛末です.

Toeicbook■僕にとってのTOEIC

は世代的にも環境的にも,TOEICとは無縁だった.

大学生になるまでは,英語の試験といえば英検だった.

大学生になると,掲示板で見るTOEFLの文字と,留学の条件となる点数を目にし,TOEFLについては存在と雰囲気は掴めていた.

大学に就職し卒業研究の学生を指導するようになった30歳頃,学生の口からトーイックということばを聞くようになり,また,目を通して,TOEICというものの存在を認識し始めた.

その後TOEICは,僕の漠然とした認識ではSPIと重なるように着実に存在感が大きくなり,今では僕の所属する大学でも,その得点次第で英語の単位が認定されたり,大学院の入試では英語の試験は実施せずTOEICスコアを英語の得点に換算するようになっている.

■受験する必要もないし,今さら受験しにくい

大学の会議や雑談の中でTOEICの話題が出ることが増えてきたのは今から5年くらい前だと思う.

大学院入試の英語をTOEICで置き換えようという提案を議論する際にも,他の大学院でも導入が進んでいるようだし,換算は前例にならって適宜行なわれるのだろうから,しかるべき担当者に任せておけばいいだろうと考える程度だった.

自分が経験したことがなく,その具体的な内容すら知らず,ただ表面の知識で点数を云々することに少々の違和感を覚えつつも,皆がそういうからそういうものだと納得していた.あるいは,大手企業では昇進の条件としてスコア何点以上が必要との話題を耳にして,中身は分からないけど漠然とした基準が形成され,学生のスコアを耳にしては,それと昇進条件のスコアを比較して,その学生のスコアの善し悪しを判断していた.

そして,その漠然としたイメージから,もしも自分が受けた場合のスコアのイメージをした.600〜700点くらいはとれるのかな,と.

しかし,受験しようという発想には,まったく至らなかった.

それは,第一に,受けなくてよい,受ける必要がない.

第二に,普段は教師という立場で自分の方が少しはよく知っている知識を学生に伝授するという,強い立場にいるが,この種の受験となると対等の立場となる.実のところ,一見対等だが,こちらの方が不利だ.集中力,記憶力,体力,そのどれをとっても若者の方が勝っている.英語力は幾分かこちらの方が勝っていたにしても,そのようなハンディキャップがある.スポーツにもシニア部門があるように,受験にもシニアがないとこちらが不利になる.

そのような状況で仮に受験して,普段厳しく英語文献の解釈を云々している僕が,学生の得点に多少上乗せがあった程度では,立場がなくなってしまう.説得力が減退する.

となると,「若いうちは,がんばらにゃいかん!」と,堂々と言ってのけておいて,他人事にしておくに限る.

■受験を決めた決定的な理由は忘れてしまった…

TOEICに関して僕を取り巻く環境の変化や,意識の変化など,さまざまな変化に影響されて,受験を決意した.その決定的な理由はもはや明確には覚えていないが,その時期は2011年9月であることは間違いない.「TOEICテスト新・最強トリプル模試1 改訂新版」(通販サイトAmazonへのリンクはこちら)の注文履歴に9月とあるからだ.

■受験は3月,申し込みは1月と決めた

とりあえず目標として受験は3月にした.仕事の忙しさなどを考えて,余裕を持って臨める日程だったからだ.

とはいえ,元々受けなくてもいい試験だから,気持ちは楽だった.まったく見当が付かない試験だから,購入した本の模試に取り組んでみて,その感触がよければ1月に申し込もうと思った.感触が悪ければ,受験を止めるという逃げ道もある.

忙しさにかまけて,模試に取り組まないままに1月になった.

一応ようすを探っておかないと,そのまま申し込んで撃沈するのは嫌だと思い,1月上旬,早めに終わった飲み会から帰った夜,はじめて本を取り出し,CDをセットして,リスニングに取り組んだ.途中でCDを止めてトイレに行ったり,コーヒーを入れたり,およそ受験本番ではできないことを挟んだが,ともかく取り組んでみた.

その日はリスニングだけで終わりにした.

その次の日,やはり中断(休憩!?)を挟みつつも,ストップウォッチを止めつつ延べ時間はオーバーしないように,正々堂々と!?リーディングに取り組んだ.

いよいよ自己採点.酒に酔って取り組んだせいか,何だかイケそうな気がする〜感触だったので,採点を進めたら,不正解が目立つ.あー,甘く見ていたかもしれない・・・.

ところが,TOEICは得点分布から統計処理をすることから,正解率がそのままスコアになるのではなかった.換算表を見ると,800点台前半が出ている.

本来は2時間であるところを,自主的な休憩を挟んで,2日間にわたったものの,ほろ酔いでその点数なら行けるんじゃない!?と感じた.

それで,予定通り1月に申し込みをした.

初めての模試から3週間ほど経った日,2つめの模試に取り組んだ.しらふで臨んだその回のテーマは,中断しないこと.ただし,リスニングが終わった後に自己採点し,少々の休憩を入れた(^_^;) そしてリーディングへ.

1回目と2回目の模試で分かったこと.それは,酔うと気が大きくなること.それは当然といえば当然なのだが,自己評価と数値で明確に出たから衝撃的だった.酔ったとき(1回目)としらふのとき(2回目)について,自己評価では1回目の方がよかった.2回目は点数がとれてないな,と思った.しかし,正解率は自己評価とは逆だった.2回目は900点に届いた.

■前日に最後の模試

試験前日に最後(3回目)の模試に取り組んだ.

今度こそは,休憩なしの,ぶっ続けで.

1,2回目の模試で,最大の問題は体力だと感じていた.いい点数は出ていても,本番では体力がもたずに気力切れになってしまうのではないかと恐れていた.

そこで,本番と同じ2時間続けて模試に取り組み,自分の体力,気力がどの程度持つのか確認しておきたかった.

それは前日に行なうべきものではなかったが,延ばし延ばしにしていたら前日になってしまったのだ(..;)

その結果は,今までで最低だった.800点には届いたが,イケそうな気がすると浮かれていた自分を戒めた.やはり2時間は体力的にキツい.

危機感を抱いた僕は,その回ばかりは間違った問題の正解と解説をひと通り確認した.

■受験者層

ぞろぞろと試験会場に向かう人の波,受験者は老若男女さまざまだ.僕のようなオジさんは目立ってしまい,そして浮いた存在になってしまうのではないかと恐れていたが,その心配は無用だった.僕よりも年配と思しき方が大勢いた.

■試験室

設備の整ったきれいな高校が会場だった.ひと部屋30〜40人とこぢんまりしていたから,ものものしさがなかった.元々机が余裕を持って配置されていた上に,僕の前方2名が欠席だったため,圧迫感がなく落ち着けた.

なお,顔を見知った学生と会うと気まずいと思い,わざと大学から少し離れた会場で受験した.そうすれば,もしも芳しくない点数であっても受験したことを知られずに済み,受けなかったことにできると思った.

■25年ぶりの試験,しかも,30数年振りのマークシート.

試験問題作成,試験監督と,大学教師として20年以上にわたって数多く実施してきた.

緊張している受験生を温かい目で見守り,あるいは,ちゃんと再確認する時間があるんだから,しっかりマークしようね,と受験番号をマークし忘れる受験生にあきれたりした.

そんな自分が,最初,自分の名前をマークし間違えていたのです(^^ゞ
間違えることはないと思うけれど,試験開始までは時間があるから一応見直しておくかっ,と氏名のローマ字のマークを再確認したら,同じ列の2つのアルファベットにマークしていたのでした(..;)
これに気づけた自分はツイているなと思った.

■簡素で分かりやすい受験システム,しかし厳しい面も

模試本の説明や受験票の受験心得から多分そうだと思っていたものの,わずかながら僕の解釈が厳しすぎるのではないかと期待していたことがあった.それは,問題用紙への記入はできないという部分.余計な書き込みをしてはいけないが,丸をつけたりチェック印を付けることは許される可能性もあると思っていた.しかし,試験室の机に置かれていた詳細な説明を読み,その可能性はないと分かった.一切の書き込みが禁止されていた.

実施体制は大変に簡素で分かりやすい.センター試験の極度に厳密な体制とは違い,大変にスムーズだ.リスニングでもICプレーヤーは使わない.しっかりして性能がよさそうなスピーカーが部屋の前,中央にどっしりと置かれている.

自分の席に着いた受験者はそこに置かれている説明を読み,既にそこに置かれているマークシートに記入できる.だから落ち着いて,受験番号や氏名などの記入ができる・・・それなのにマーク間違いをしてしまった僕なのだが….ただし,本人確認は厳格だった.免許証の写真としっかり見比べられた.

■試験開始

リスニングは取り組みやすかった.出題がペースを作ってくれるから,それに合わせて最善を尽くすだけだ.ひとつだけイメージと異なることがあったが,これはほとんど気にならなかった.それは,僕は完全に問題音声に合わせて進行していたのだが,TOEIC受験慣れしている(あるいは受験対策が十分だった)人が少なからずいたようで,音声よりも先に問題冊子の次のページをめくる音が聞こえてきたことだ.問題パートによっては,音声で流れてくるの質問が問題にも印刷されており,回答も印刷されているから,問題音声を待たずに先に進むことができる.そうすれば,次の問題音声が流れる前に質問や選択肢をざっとながめておくことができる.僕はTOEIC受験初心者だったから,余計なことをせず,ただ実直に問題音声のペースで進んだ.

リスニングとは裏腹に,リーディングではさまざまなプレッシャーを感じた.

まずは時間制限というプレッシャーだ.自主的なひとり模試の経験から,平常心で淡々と取り組めば慌てずとも時間内に終わると思っていたのだが,何問目で何分というような感覚がまったく持てていなかった.ただ淡々と取り組んだら時間内に終わるという感覚しかなかったからである.だから,ある問題で迷ってしまい,主観的にはかなりの時間のロスをしたとき,ペース配分が分からなくなり焦った.終わってみれば,慌てるほどのロスではなかったのだが,その焦りのために集中力が低下し,誤答につながってしまったと思う.

もうひとつは,25年ぶりの受験だからこそイメージできていなかったのだと思うが,他の受験者が問題冊子をめくる音が聞こえてくることだ.リスニングの時には問題音声がペースを作っていたから問題なかったのだが,リーディングは他の受験者の存在が強く意識され,マイペースになりきれなかった.

いろいろとプレッシャーはあったものの,自分試しで受験した僕にとって,合否が出るのではないので,大したことはなかったといえようが….

■試験の内容について

試験では英文和訳とは別物の英文読解が求められている.和訳していたのでは試験のペースについて行けないだろう.

また,自主的な模試に取り組んだときから感じており,本番の試験でも同じだったのは,単に英語ができても点数が取れない試験ではないかということだ.仕事や出張で遭遇するさまざまな場面での,英語での情報収集や相手とのやりとりの経験がないとイメージできない問題が少なからずあるように思う.

だから,若者よりもオジさんは不利と前半に書いたが,オジさんは試験に出るような場面をそこそこ経験しているので,イメージが湧くという意味で有利であるだろう.

さて,試験は僕が使った模試本よりもやさしく感じた.実はこのために,試験結果に少々不安を感じた.迷わずに解答したけれど,うっかりや勘違いで解答し,引っかけにかかってしまったのではないかと.最近,通販サイトの書き込みを見たのだが,どうも僕が使った本は本番よりも難しめのようだ.模試本としては賛否が分かれているようだが,僕としてはその本でよかったと思う.簡単には高得点が取れない模試に手強いと思い,気を引き締めて試験に臨むことができたからだ.

■試験対策

僕が行なった試験対策は以下のとおりである(一部,上述の内容と重複するが).

・試験の形式を把握するために模試本を購入し,3回の模試に取り組んだ.

・TOEIC公式サイトのPodcastを聞いた.ただし,公式サイトのPodcastだからといって受験に直接に役立つということはない(逆に,このPodcastに出ている内容は試験には出ないと考えるのが妥当であろう).単に英語に触れる素材として利用した.

・TOEIC試験には日本語の要素が一切ない.試験が始まると,終了まで一切の日本語がない.それを十分に認識していたから,僕は試験の当日はできるだけ日本語に触れないようにした.移動の電車でも日本語の本は読まずに,インターネットラジオで英語のチャンネルを聞いた.これは,往年の名プロテニスプレーヤーであるボルグが,試合前日から文字を読まないようにしたことと似た作戦である.

■参考:僕の英語学習歴,英語体験

10代後半に,学校の英語と,英文解釈の参考書や英検受験対策本と,ラジオ英会話番組で勉強.ラジオ番組は大学を卒業するくらいまでよく聞いていた.ラジオ番組を聞く習慣が高じて,小林克也さんの前で英語の歌を歌い批評してもらうコーナーに応募し,出演したこともある.

英語圏の体験は,大学院博士課程在学中,米国に学会発表に行ったのがはじめて.そして,それがはじめての海外.その後,数年に一度のペースで海外の学会に出かけている.

語学学校経験なし.留学経験なし.

■試験結果

模試本では,3回の模試中2回はリスニングよりもリーディングの点数が高かった.僕は仕事上,普段からリーディングはたくさんしているから,自己評価と一致しており,試験に臨むにあたっても,リスニングのミスをリーディングで補うイメージで考えていた.

が,今回の試験ではリスニングの方が点数が高かった.上述したリーディング中の焦りが災いしたようだ.

リスニングについてだが,模試本の経験から,間違いは多少あるだろうと,そして,間違いやよく分からない問題を気にせずに気持ちを切り替えることが肝要との模試本のアドバイスを守ったから,振り返ることなく取り組んだ.だから逆に少々の間違いはあるだろうと思っていたが,45分間,自分でもよく集中できていた.その感触通り,いい結果となった.

受験前のことである.僕の立場上,そこそこ高得点で当たり前であるし,学生からもそう見られるだろうから,900点を目標にしていた.ただしこれは,冒頭に書いた漠然としたイメージのみから設定した,言わばはったりの目標であった.それだけ取れれば堂々と公言できるんじゃないかと.

受験後は,800点台前半なら受験したことは公言しないでおこうと思ったものの,800点台後半なら公言してもいいかもしれないという,現実的な考えが芽生えてきた.英語で仕事をしているわけではなく,ツールのひとつとして利用しているだけの科学者としては,800点台後半でも自信を持っていいんじゃないだろうかと,思い始めていた.

だから,955点という結果を見たとき,思い切って挑戦してよかったと思った.

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