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2010年8月24日 (火)

数学ではない場面での数式的表現

Operations複数人で共同作業をし,それを著作や論文として公表する際には,名前を列挙するのが伝統的なやり方である.例えばAさん,Bさん,Cさんの共同作業の結果をまとめたものならば,「A,B,C」のように書く.それが学術英文誌であって,それを引用する際には「A,B,and C」と書くのが国際的な習慣である.

その同じことを,数式的表現を用いて「A+B+C」と書いている出版物もある.それは,3人の力を(足し)合わせて制作したという意味を込めているのだろう.

最近,あらゆる場面で「×」(掛ける)を見かける.AさんとBさんの共同作業の場合に「A×B」と表記したり,テレビ番組・爆笑レッドシアターでは,「取調室×我が家」のように「〈シチュエーション〉×〈芸人〉」といった使い方もされている.

「×」が使われ始めたのと同じかそれより以前に,「コラボ」ということばが流行った.コラボが「×」に置き換わったと言っていいだろう.因みにコラボはコラボレーション(collaboration)の略で,合作,共同制作,協力という意味である.

ところで,コラボを数式で表わすには,「+」よりは「×」の方がふさわしいと思う.なぜなら,「+」にはつなぎ合わせるという意味合いが強いから,例えば,曲のアルバムで「A+B」と表記すれば,Aさんが作詞作曲した5曲を自ら歌い,それとは独立にBさんが作詞作曲した5曲を自ら歌い,合計10曲のアルバムを制作したような印象を受ける.それに対し,「A×B」と表記すれば,Aさんの詞にBさんが曲を付け,それをAさんが歌うなど,互いに影響し合っている印象を受ける.これぞまさしくコラボである.

数学や物理の用語が日常表現に浸透した例は多数あり,その中には元の意味を活かしたいい表現がある一方で,誤った表現が定着してしまったものもある.その点で,この「×」は,元の意味を活かしており,科学的表現としての適切性にうるさいとしても,気に入っている.

さて,小泉今日子がアイドルとして一世を風靡していた頃,小泉今日子はキョンキョンと呼ばれており,そのキョンキョンは「KYON2」と表記されていた.これは「KYONの2乗」を表わす数式表現である.

キョンが2回ということなら,KYON+KYON=2 KYONという書き方もあり得るが,数式的には「キョンキョン」は KYON KYON = KYON×KYON = KYON2 であって,決して 2 KYON ではない.

Wikipedia・小泉今日子によれば,KYON2が使われ出したのは1980年代のことだが,その後少なくとも10年以上は,今の「×」と同じくらいに「○○2」という表現が流行した.

※ちなみに,「○○2」のように添え字の2を用いた表現ができない場合には,「○○^2」でそれと同じ意味を表わすと約束する場合が多い.マイクロソフト・エクセルもこの表現を採用しているから,セルに「=2^10」と入力してEnterを押せば,210(2の10乗)の値1024を表示してくれる.

こう考えてみると,次はどの数式表現が流行するのか予想してみたくなる.

四則演算のうち「+」「×」以外の2つ「−」「÷」は後ろ向きのイメージがあるから,あまり流行するようには思えない.三角関数(sin, cos, tan)や対数(log)は数学的に過ぎる・・・・・.

とりあえず,いったん予想はあきらめることにしよう(^_^;)

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