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2010年6月22日 (火)

常連の心理

ある日曜の夕方,たちは,飛び込みで飲める店を探していた.

日曜じゃなければ,その近辺にいい店があるそうなのだが,日曜だと営業している店が少ない.

ぷらぷらと歩いていると,明かりの点いた看板を発見! 「ここでいっか」との一人の声に,数名が看板に近づいていった.

その店は地下にあるので,しばし皆で逡巡[しゅんじゅん]していたが,「他を探そっか」との声に皆が立ち去ろうとしたところへ,少し遅れてきた一人が言った「この店いいよ♪」.

僕たちが看板の前で悩んだ末に店に入らなかった理由は,黄色地に黒の筆書体の看板から受ける印象がよくなかったからである.
(ノオト「表示の重要性」も参照)

地下へと降りて行くと,そこには飲食欲をそそる店構えがあるではないか.そして,店内も,酒も,料理も,店員もベリー・グーではないか!

もったいない.こんなにいい店なのにあの看板で損してるよ.店長に言ってみよっか!? 隣に座った人とそんなことばを交わしたが,「やっぱり,やーめたっ」と,声に出したのか心の中だったのか記憶が定かではないが僕はつぶやいた.

それは,あまり人に知られていない(かもしれない)いい店を見つけたので,このままそっと大切にしておきたいという心理であった.

店を大切にする心理は常連となって極まる.常連になると,店が好き,店に集う仲間が好き,そのままの店を維持したい,だから誰にでも店を教えるわけにはいかない.それは同時に,自分の隠れ家を,自分の素の部分を(あるいは職場では見せない面を)見せられる場所を守ろうとすることである.

以前このノオトで話題にした店の場合,そこそこ親しい同僚であっても連れて行く決意をするまでに半年かかったこともある.

冷静に考えてみれば,その,黄色地に黒の筆書体の看板の店は,僕がちょくちょく行ける場所ではないから,気持ちでは大切にしたくても,店に貢献することはできないのだから,看板に対して感じた率直な意見を伝えておけばよかったと思う.

と同時に,あれだけいい店なのだから,曜日の問題で客が少なめであっただけであって,その他の曜日は大繁盛している可能性が大である.

そもそも,ここまでの話は古い世代の考え方かもしれない,というより,間違いなくそうだ.

インターネットの口コミが大きな影響力を持っている今,立地や看板や店構えをすっ飛ばして,直接にサービスを見ることが可能だ.

そう考えると,インターネットで(高評価の)口コミをするファンの心理は,古い世代の常連の複雑で微妙な心理とは大きく隔たっているようだ.

と,ここで気になったので,その,黄色地に黒の筆書体の看板の店をインターネットの口コミで調べてみたら,評価件数がまだまだ少ないので安定した評価とはいえないが,平均「★★★☆☆」と,可もなく不可もなしであった.やはり看板でも頑張ってもらうべきかもしれない(^_^;)

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