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2010年4月13日 (火)

過信への不信感

老人の口からもシーテーという言葉が自然に出てくる時代となって久しい.
(シーテー=シーティー=CT)

最近は,認知症などの脳機能障害の検査にMRIの利用が普及しているから,MRIということばが日常的に使われるようになる日も近いだろう(あるいは既にその日が過ぎている?).

脳の検査法とそれから分かることについては,例えば脳ドックでわかることに簡潔にまとめられているので,参照されたい.

さて,MRIを,検査ではなく脳の働きの解明(脳の研究)に利用する装置がfMRI(エフ・エムアールアイ=ファンクショナル・エムアールアイ)である.

簡単にいえば,fMRIは,人が見る,聞く,触る,思い出す,判断するなどなどさまざまな課題に取り組んでいる最中に,脳のどの部分が働いているかを見えるようにする装置である.

脳に関する研究成果を集めた学術論文誌に,例外なくfMRIの文字を見るようになって久しい.fMRI装置を持っていなければ先端的脳研究は不可能なのではないかと思わせるほどである.

おおぜいの人々が信用すればするほど疑いの念が生じてくるのが,あまのじゃくである.

は長年,fMRIを利用した研究に漠然とした不信感を抱いてきた.その理由は,ただあまのじゃくというだけでなく,他にもある.

例えば,fMRIを使った初期の研究の多くは,fMRI以前の研究の再確認であったことである.再確認とは,fMRI以前には予想(推定)であったことをfMRIで確認することである.言い換えれば,こんな結果が出て欲しいなぁという研究者の希望通りの結果が出て,めでたしめでたしと見えてしまう研究である.

研究に限ったことではないが,この世は「予想外」で溢れている.だから,予想通りの結果ばかりでは却って疑わしい.もちろん,予想外の発見をする研究もたくさんあるから,結局は,当たり前ではあるが,ものを見る目,判断力を養うしかない.

さて,たびたび引用しているMind Hacksブログに,How reliable are fMRI results? (fMRIの結果はどの程度信頼できるのか?)という記事が掲載されている.

これまでfMRIを利用して得られた研究結果を網羅的に比較し,時と場所と研究者が異なるが同じ結果が出るはずの実験で,実際どの程度結果が一致しているか調べた研究についてである.

結果は,多くの研究者が思っているほど高い信頼性はないということのようだ.例えば,活発に活動する脳の範囲が,異なる研究でどの程度一致しているかについて,30%程度と述べられている.脳のような極度に複雑な対象については,30%は結構高い値といっていい.しかし,非常に高いとは言えない.

だからといってすべて否定するのは懸命ではない.過信は禁物と肝に銘じればよいだろう.

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