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2010年4月

2010年4月29日 (木)

依存症と非依存症の差異

デューク大学のニコチンおよび禁煙研究センター(→正式な和訳ではありません)のメンバーを中心とする実験によれば,ニコチン依存症の人と非依存症の人では,煙草を吸い込んだときの脳内ニコチン量の変動に大きな違いがあるという.

はこの分野は不案内だが,広報記事``New Insight on How Fast Nicotine Peaks in the Brain'' (「脳内ニコチン量上昇速度に関する新たな知見」) によれば,脳活動を画像化する手法の一種「PET(陽電子断層法)」を用いた計測によって今回初めて分かった意外な結果だそうだ.

それまでは,煙草をふかすプカプカと連動して脳内ニコチン量が増減し,その増減の波があるゆえに(リズミカルで心地よくて?←個人的見解),パッチやガムよりも中毒性が高くなると考えられていた.

今回の脳内ニコチン量の計測によれば,非依存症の人はその通りだったが,依存症の人の場合には(波がなく)ゆっくりと脳内ニコチン量が増加する.依存症の人の脳内ニコチン量のゆっくりとした増加は,肺での滞在時間が長いことが原因である.

著者自身もインタビューで答えているように,この研究によって依存症と非依存症の人の脳内ニコチン量の変動の違いが発見されたが,ではなぜ,ある人は依存症になり,ある人はそうならないのかは謎として残る.

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2010年4月27日 (火)

科学する楽しさを伝えたい,一心で!

Tv_program先日,とあるテレビ番組の撮影に参加した.

写真はそのひとこまのスナップ写真で,一番右はお笑い芸人の男性,中央の3人はティーン向け雑誌モデルの少女たち,一番左がである(諸々のトラブルを避けるために僕以外の人の顔にはぼかしをかけてある;このサイズだと,ぼかしをかけていない僕もぼけている!).

《ノオト》では以前,科学番組と謳ってはいないが根底に科学の精神のある番組について述べた.最近では,番組名に「科学」「実験」と付いた,あるいははっきりと科学番組であることを謳った[うたった]番組が増えてきて,よろこばしく思っている.

この番組は中高生向けにさりげなく科学で訴えかける番組のようだ.
(もちろん,上記リンクの科学番組とは構成や表現に大きな違いがある.)

今回のテーマは人間の科学と言っていいだろう.
(制作側に配慮して,ネタがばれないように,そして番組の謎解きのヒントにならないように,これ以上は述べるのを差し控える.)

科学の楽しさを自分なりに発信するいい機会になればと,僕は番組への参加を気軽に引き受けた.

が!・・・事前に送られてきた台本の内容は,まったく予想だにしなかったものだ.

素人としては芸達者だと言われたことがないわけではないが,演劇経験もない一介の大学教師にそこまでさせるのか(@_@)という演出が書かれていた.その通りに演じている自分を想像すると,もう笑い飛ばすしかなかった.乗せられやすい僕はほどなく,与えられた任務をまっとうすることだけを考えて,時折頭の中でシミュレーションしていた.
(恐らく素人のぎこちなさを楽しむ演出なのだろうと見通してはいたが,いじられキャラでもある僕は進んでいじられる決意をした.)

さて,現場での打ち合わせの時が訪れた.要求に応えるしかないと覚悟していた僕に飛び込んできたのは,クリエーターのひらめきだった.それは,台本よりも2割増しで面白くなり,僕の照れくささを2倍にする追加の演出だった(・o・)

もう引き返せない.やりきるしかない.科学する楽しさを伝えたい,その一心で,僕はためらいを振り払った.

少女たちが実践を通して答えを探し求める過程を追うドキュメンタリーといえるこの番組は,演出は柔らかくても,内容はとっても知的な科学なので,怪しげなおじさんの可笑しさ[おかしさ]に唖然としてチャンネルを替えたりせず,最後まで見てもらいたいと思う・・・これは僕をまったく知らない他人と,僕をよく知っている人向けの話.僕を表面的にしか知らない人が見たら,誤解されそうで心配だ(^_^;)

この模様は,とある全国ネットのテレビ局で,6月の上旬に放送される予定だと聞いている.

《追記:2010-12-04》この番組は,NHK教育テレビ・すイエんサー「あっち向いてホイ!で絶対勝ちたい!!」である.

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2010年4月26日 (月)

脳トレの効果

イギリスの研究者とBBC(英国放送協会)による史上最大規模の実験によれば,コンピューターゲームによる脳トレーニングは,いわゆる頭の体操にはなるが,記憶力,推論力,学習力,などの能力 (general intelligence) 向上には結びつかないとの結論に達したそうだ (nature news の記事 ``No gain from brain training'' による).

これは,希望者参加型で,総勢11,430人,年齢は18歳〜60歳だった.参加者は1日10分,毎週3回,6週間にわたりオンライン課題に取り組んだ.もちろん,心理学の実験では必ずそうであるように,参加者には悟られないように2グループに分けられた.検証したい条件を設定したグループと,その条件が設定されていない対照グループに,である.

記事にも書かれているように,この結果は,老人の能力維持効果を否定するものではなく,子ども能力促進効果を否定するものではない.

また,この実験がもう一つの問題をはらんでいることにも言及されている.

それは,ノオト「誤解を招く記事」で述べた例と同じで,“希望者”が参加した点である.「希望した」という時点で参加者に大幅な偏りが生じている可能性が否めないことである.

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2010年4月21日 (水)

ダジャレ・アーカイブズ:十六茶

ダジャレ・アーカイブズに「十六茶」を追加.

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2010年4月16日 (金)

キーから学ぶコミュニケーションのキー

Typewriterノオト:若者へのメッセージにも書いたように,自分にとっては既知(当然)であっても,若者や,体験の異なる人には意外で興味深く思えることはたくさんある.

昔話が多くなったと厭わしく(いとわしく)思われることもあるが,それを怖がっていては,ひょっとすると興味深く思ってもらえるかもしれないメッセージを発信せずじまいになる・・・と書きつつも,結構それを怖がっている自分もいるのだが(^_^;)

は10代半ばにK先生(英語教師)と出会い,それは僕の人生の転機となった.

K先生は,授業で,あるいは個人的に僕を叱咤し厳しく指導してくださった.
(更には,僕のその後の人生の後押しをしてくださった.)

そのような中で僕は,英語に興味を持ち,英語学習誌を定期購読していたのだが,恐らくその雑誌の広告に誘われて,英文タイプライター(機械式,電源不要)を購入したのだったと思う(機械式でも電源が必要なタイプライターもある・・・念のため).

このような僕だから,今となってはその存在意義が曖昧なパソコンキーボードの記号キー「_」の本来の意味を実体験として知っているから,それがクイズになっても興味を持つ人がどれくらいいるのか疑問だったが,クイズ番組「雑学王」の放送を見たところ,タレント解答者6名のうち正解は1名で,間違い解答も興味深いものが多く,盛り上がっていた.

考え抜いたギャグよりも,ふと口をついて出た何気ないギャグがウケることがあるが,それと同様の意外性を感じた問題だった.ちなみに,考え抜いたギャグがウケるのがプロで,我知らずウケてしまうのはアマチュアなのだと思う.

さて,記号キー「_」の本来の意味については,番組「雑学王」のホーム頁から,[おさらい]>[バックナンバー:4月12日放送]>[Q7]とたどれば簡潔に見ることができる.
(2010/05/16現在,見ることができない.バックナンバーは1週間だけ掲載されるようだ.)

自分の経験や知識から,如何にして先入観をコントロールするかが良好なコミュニケーションの鍵(キー)なのかもしれない.

《更新情報》機械式タイプライターの画像を追加(2010/05/16).

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2010年4月13日 (火)

過信への不信感

老人の口からもシーテーという言葉が自然に出てくる時代となって久しい.
(シーテー=シーティー=CT)

最近は,認知症などの脳機能障害の検査にMRIの利用が普及しているから,MRIということばが日常的に使われるようになる日も近いだろう(あるいは既にその日が過ぎている?).

脳の検査法とそれから分かることについては,例えば脳ドックでわかることに簡潔にまとめられているので,参照されたい.

さて,MRIを,検査ではなく脳の働きの解明(脳の研究)に利用する装置がfMRI(エフ・エムアールアイ=ファンクショナル・エムアールアイ)である.

簡単にいえば,fMRIは,人が見る,聞く,触る,思い出す,判断するなどなどさまざまな課題に取り組んでいる最中に,脳のどの部分が働いているかを見えるようにする装置である.

脳に関する研究成果を集めた学術論文誌に,例外なくfMRIの文字を見るようになって久しい.fMRI装置を持っていなければ先端的脳研究は不可能なのではないかと思わせるほどである.

おおぜいの人々が信用すればするほど疑いの念が生じてくるのが,あまのじゃくである.

は長年,fMRIを利用した研究に漠然とした不信感を抱いてきた.その理由は,ただあまのじゃくというだけでなく,他にもある.

例えば,fMRIを使った初期の研究の多くは,fMRI以前の研究の再確認であったことである.再確認とは,fMRI以前には予想(推定)であったことをfMRIで確認することである.言い換えれば,こんな結果が出て欲しいなぁという研究者の希望通りの結果が出て,めでたしめでたしと見えてしまう研究である.

研究に限ったことではないが,この世は「予想外」で溢れている.だから,予想通りの結果ばかりでは却って疑わしい.もちろん,予想外の発見をする研究もたくさんあるから,結局は,当たり前ではあるが,ものを見る目,判断力を養うしかない.

さて,たびたび引用しているMind Hacksブログに,How reliable are fMRI results? (fMRIの結果はどの程度信頼できるのか?)という記事が掲載されている.

これまでfMRIを利用して得られた研究結果を網羅的に比較し,時と場所と研究者が異なるが同じ結果が出るはずの実験で,実際どの程度結果が一致しているか調べた研究についてである.

結果は,多くの研究者が思っているほど高い信頼性はないということのようだ.例えば,活発に活動する脳の範囲が,異なる研究でどの程度一致しているかについて,30%程度と述べられている.脳のような極度に複雑な対象については,30%は結構高い値といっていい.しかし,非常に高いとは言えない.

だからといってすべて否定するのは懸命ではない.過信は禁物と肝に銘じればよいだろう.

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2010年4月11日 (日)

冷や汗(^_^;)

相反する二つの性質を合わせ持つ人は柔軟性が高いそうだ——これはある校長が引用した話.

自分で言うのもおこがましいが,は柔軟性が高いと思っているし,周囲の人々にそう言われることも多い.

そう考えると,僕は相反する二つの性質をけっこう持っている.例えば,堅実にしてあまのじゃく,ナルシストにして無頓着,忍耐強くてせっかち,などである.

我が道を行っていると人に評されることも少なからずあるが,実は結構,人目を気にしている.だから,先日,ワイシャツを購入する際の店員の行動にハラハラさせられた.

普段はスーツもネクタイもワイシャツも身につけない僕だが,急きょワイシャツが必要になったので手頃な店に飛び込んだ.

棚には,首回りと袖丈で分類されてワイシャツが並べられていた.白無地と決めていたから,寸法さえ分かれば買い物は終了である.

女店員がそばに来たので,寸法を測ってもらいたいと頼んだら,ポケットからメジャーを取り出して首回りから取りかかってくれた・・・と思ったら,数メートル先で作業をしていた男性店員の方に歩み寄り,何やら依頼をしている.メジャーを持つ手でジェスチャーしながら.

僕は思った.これって,ひょっとして,「ちょっと代わってくれないかな」って頼んでるの〜!? 僕の後頭部や首や肩が汚れているとか,イヤな臭いがするとか,あまり触りたくないとかで避けられてるの〜(@_@) お願いっ,男性店員じゃなくてキミが戻ってきて〜! どうせ測ってもらうなら男性店員じゃなくて女店員がいいとか,そういうイヤらしい気持ちじゃないんだよ! たとえ本当の理由は違っていても,男性店員が代わりに採寸にやってきたりしたら,漠然としたショックが生じるのは間違いないよ〜(+_+)

僕には長く感じたが,恐らく15秒程度の短時間であったろう.メジャーを持って戻ってきた女神に救われた僕であった.

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立体視(続)

ノオト「立体視」で紹介した,ローテク(low-tech)で立体画像を見る方法を試すのに好適な写真を見つけた.そこでの説明の繰り返しになるが,その方法は単眼立体視である.

細い筒を通して片目で覗き込み,そこにある写真だけが目に入るように集中すると,ただの写真が立体写真になる.

その好適な写真とは,三春滝桜 takizakura.comに掲載されているつぼみや花の写真である.

多くの好適な写真があるが,例えば現在の滝桜 2010年3月20日(土)の中のこの写真などがいい.

どうですか? 立体的に見えますか?

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ダジャレ・アーカイブズ:本格的なコーヒー,どう?

ダジャレ・アーカイブズに「本格的なコーヒー,どう?」を追加.

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