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2010年1月10日 (日)

そぞろ歩きの効用

Jinjasiganaoyaふらりと散策のつもりで立ち寄った神社に,写真(クリックで拡大)のように引用が書かれていた.

自らを振り返るための,いい言葉に出会えたなぁと思った.

境内に進み,お守りの授与所の隅を見たところ,今月のことばが記された札が置かれ,自由に持ち帰っていいと書かれていた.

それは,東京都神社庁が毎月作成しているらしい「生命(いのち)の言葉」だった.
(東京都神社庁のWeb頁をざっと見てみたが,生命の言葉のバックナンバーは掲載されていないようだ.これを不便だとか,サービスが悪いと思う向きもあるだろうが,現地に赴かなければ見られない,そこがまたいいと思う.)

その月のことばは,「交際の奥の手は至誠である」であった.

これはいいことばだが,それなりに時を重ねてきた人ならば経験を通じて大概が分かることだから,特別な印象を受けない人もいるだろうが,それをこのように簡潔で,人に訴える力のある形にまとめられる人はごく少数である.逆に,時を重ねて分かるからこそ,ことばが心にしみてくる.

このことばはインターネット上で多く取り上げられているようだから,このことばのGoogle検索などしてみれば,興味深く,あるいは詳しく紹介しているWeb頁を見ることができる.
(Google検索では,このことばの本題ではなく字面から選定される,このことばとは無関係のスポンサーリンクが多数表示されることに注意してもらいたい(汗))

さて,実のところ僕は知らなかったのだが,このことばの作り主である渋沢栄一という人はかなり世間に知られている人のようだ.そのような立派な人を今まで知らなかったことは恥ずかしいとも言えるが,それもまた“自分”だから,いま知ることができたことを幸運と思いたい.

その人の他の言葉も知りたいと思いつつも,上記の一文だけでも十分に影響力があるからと,積極的に調べることをせずにいた先日,書店でたまたま渋沢栄一著「論語と算盤」(ろんごとそろばん)なる文庫本(引用情報欄を参照)が目に入った.

見てみると平成20年初版の文庫本だから意外に新しい(元になったのは昭和2年に刊行された本である).

その本には多くの知恵が書かれているが,僕が興味を持った一例を挙げると,「人物の観察法」がある.そこには,初対面の印象が最も間違いがないと書かれている.
(また,孟子の,眸子[ぼうし](=人の目)で人物を観察する方法も紹介されている.続いて,論語が引用され,人物の観察の正確さをよりいっそう高める方法が述べられている.)

第一印象に関しては,このノオトでも,最近の研究成果を引用して,「第一印象が重要」や「百聞は一見にしかず,しかして一見は…」に書いたが,それらが先人によって古くに発見されていたことを知ると,改めて,“現代科学とは,智慧ある先人が既に分かっていたことを,理屈好きの凡人が理解できる言葉で説明し直す試みの体系である”という思いを強くする.因みにこのことばは,恐らく誰かが既に言っているとは思うが,引用ではなくの頭に浮かんだことばである.

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