« 僕の生体認証ライフ第一章に幕 | トップページ | ほほえみの訳は? »

2009年8月 3日 (月)

言い切って欲しい

例えばJR東日本の指定席券売機では,切符が機械内部で印刷されている最中には「発券しています,切符の取り忘れにご注意下さい.発券しています,…」とのアナウンスが繰り返し流れる.そして,発券(印刷)が終了し切符が取り出し口に出てくると「ありがとうございました」とのアナウンスが流れるのだと《思う》.

なぜ《思う》のかというと,「ありがとうございました」を最後まで聞いたためしがないからである.

出てきた切符を取り出すとアナウンスが終了するようになっているから,取り出しが早いと「ありっ」で終わってしまい,ちょうどいいタイミングで取り出すと「ありがとう♪」とタメ口になったりする!

人間は,何かを始めようとしてもすぐに実行できるものではないし,終わろうとしてもすぐに止められるものでもない.これはもちろん習慣にもあてはまるが,ここで言いたいのは瞬時の判断についてのことである.

実際,学術雑誌 Nature Neuroscience に掲載された論文“Unconscious determinants of free decisions in the human brain”(自由意志を決定する無意識の脳内要因について)によれば,自分の意志を自覚する最大10秒前に,脳内ではその意志に相当する状態が生じているという.

よく,何かを無意識にしてしまうことがあるが,それは,脳内で実行指令が出され,すぐに行動が開始されるが,まだ意識にはのぼらない状況に相当するのだろう.

疑問に思うことを人に聞こうと話し始めるが,口にするやいなや自分で分かってしまうことがある.これも,脳内の「分かった状態」が意識にのぼる前にあらかじめ予定されていた質問をしてしまうが,その頃になってやっと,「分かった状態」が意識されるのであろう.

このように考えると,上述の「ありがとうございました」は,言い切ってしまうのが脳に合った対応である.

ひとつには,行動としては切符を取り出しているが,切符を取り出した実感が意識にのぼりきっておらず,意識にのぼるまでの時間が必要であることによる.もうひとつには,「あり…」を聞いて,恐らく「ありがとうございました」と言うのだろうと予測し,振り向いて立ち去る背中で声を聞くつもりが,それがないことにより違和感を覚えることによる.

【補足1】今度は,じっくりと待って,「ありがとうございました」を最後まで聞いてみようと思う.

【補足2】この種の自動装置がすべてここで述べた対応をするのではない.中には言い切ってくれるものもある.

|

« 僕の生体認証ライフ第一章に幕 | トップページ | ほほえみの訳は? »

脳・人間」カテゴリの記事

サービス」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 言い切って欲しい:

« 僕の生体認証ライフ第一章に幕 | トップページ | ほほえみの訳は? »