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2009年5月17日 (日)

クランケ

僕が子どもの頃,テレビドラマのドクターやナースは「クランケ」ということばを頻繁に口にしていた.

実際に病院でそのような用語が使われているのか分からないまま,ドラマの非日常を楽しんでいた記憶がある.

因みに,クランケとはドイツ語で,患者を意味する.

単に「患者」と呼ぶと,日本語では不遜な感じがするから,「患者さん」と呼ぶ方法もあるが,頼る者と頼られる者の関係を考えるとしっくりこない.だから,「クランケ」はちょうどいい位置にある用語だったのだろう.

企業人が他の企業に言及するときに「富士通さん」「日立さん」などと言うが,これも日本語独自のバランス感覚に基づくのだと思う.

大学でも,学生に言及するのに「学生さん」と呼ぶ者もあるし,僕のように「学生」と呼ぶ者もある.

互いの関係の表現からすると,「学生さん」よりは,単に「学生」と言及する方がいいと思い,僕はそのように言及している.

しかし,「学生」と呼ぶことは上から目線の感がが否めないから,呼び方に工夫の余地があると思っている.

そこで,主な外国語で「学生」を調べてみたが,どれも英語の student とほぼ同じであり,「クランケ」のような,いい意味での隔たり感がない.

そういえば,学生(大学生)を「子どもたち」と言及する教師もいる.

自分が大学教師となった頃は,弟や妹のような学生を子どもと呼ぶのは違和感が大きかったが,いつの間にか学生たちの親と同世代になっているこの頃である.

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