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2009年2月 8日 (日)

百万円

僕の世代(僕は1960年代生まれ)にとって「ひゃくまんえん」は特別な響きを持っている.

もちろん現代でも,札束は100枚単位だから百万円はキリがよく,テレビ番組内のゲームでタレントへの賞金としてよく使われている(一例:フジテレビ「ネプリーグ」).しかし,タレント5人で百万円を山分けにしても,当人たちのよろこびは,さほど大きなものではないだろう.

多くの人々がクイズ番組(一例:クイズタイムショック)に熱中していた1970年代,百万円は夢の賞金だった.

その頃,買い物に行くと,店のおじちゃんやおばちゃんは,よく,100円なのに「は〜い,百万円ね〜」などと子どもたちをからかった.(「二千万円ね〜」はなかったと思う.)

冗談だと分かっていても,身近なところで聞く「ひゃくまんえん」という響に,ちょっとしたドキドキを感じていたように記憶している.

さて,心理学者の研究によれば,「報酬は300セントです.」と伝えるときと「報酬は3ドルです.」と伝えるときで人間の判断結果が異なるそうだ(解説や学術論文へのリンクはMind Hacks: Never mind the quality, look at the widthを参照).The New York Times サイトの記事では,この研究を ``$1? No Thanks. 100 Cents? You Bet.'' (「1ドル? イヤだよ.100セント? いいよ.」)とのタイトルで紹介している.

【註】1ドル=100セント.

この観点で上記の冗談“100円なのに百万円”を振り返れば,それは単なるおやじギャグではなく,人と人とが心を通わすコミュニケーションであったのだと思う.(現代でもこの冗談を言う強者がいる.僕も負けずに使ってみようと思う!)

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