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2008年12月

2008年12月28日 (日)

頂点と終点の法則

頂点と終点の法則——これは日本語訳がまだ定まっていない peak-end rule を試みに翻訳してみたものである.

この peak-end rule は,経験のピーク(頂点)とエンド(終点)の関係が印象を決定づけるというもので,ダニエル・カーネマンが1999年の著作で示したもののようだ(出展:Wikipedia).

例えば,あるイベントの最中にとても楽しいことがあっても,最後にガッカリしてしまうとあまりいい印象が残らないということ,あるいは,とても苦痛に感じることがあっても,すぐに苦痛から解放されずに,最後に少しの苦痛を経験していると,最終的には,却って,それほど大きな苦痛の印象が残らないというものである(例:Hanukkah and Colonoscopies).

言い換えれば,人間は絶対的な判断はできずに,相対的にしか判断できないということだろう.

僕はときどき,「あまり楽しくないんじゃない?」とか,「(せっかくプレゼントをあげても)あまり喜んでいないように見える」と言われる.これまではそれについて深く分析したことはなかったが,この peak-end rule に照らし合わせて考えると,ピークとエンドの落差を抑え,幸せ感を持続させようという無意識が働いているのかもしれない!?

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2008年12月27日 (土)

レトロ・テク (Retro-Tech)

手に入れて以来,さまざまな人々に見せて,感動を共有してきた動く定規動く絵本は,何れも Eye Think 社(Eye Think, Inc.)の製品である.(その社名は,"I think" と音が同じで「我思う」と通じるばかりでなく,製品の原理となる錯視は「目が考える」からこそ生じることをも表現しているのだと思う.うまい命名だ.)

その動く絵本 "GALLOP!" (引用文献参照)は,Amazon.co.jpの洋書部門で年間売り上げ1位(2008年)とのことだが,それほどの大ヒットとは知らなかった.

開いてみれば納得できる分かりやすさもさることながら,意外に安いことも人気の一因だと思う(動く絵本は動く定規2本よりも安い!).

最近,改めて Eye Think 社のwebページを眺めてみたら,創設者のことばの中に「レトロ・テク (retro-tech)」なる表現を見つけた.

僕がその定規や絵本を人々に紹介する際には,ハイ・テク (hi-tech=高度技術) ではなくてロー・テク (low-tech) でこれだけ魅力的な製品を作ったところが特に興味深いと話していたが,レトロ・テク (レトロな技術) という表現がまたいい.

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2008年12月21日 (日)

機内サービス

Mtfuji朝早い飛行機に乗った.

前方に,朝日に輝く富士山が見えてきた.肉眼で見るには十分だが,写真に収めるには,まだ角度が悪い.

富士山がどんどん近づいてくる.ベルトサインが点いているから,まだデジカメを使うことができない.

そろそろ安定飛行に入っているから,何とか富士山を通過する前にベルトサインが消えて欲しいと願っていた.

ちょうどいいタイミングでベルトサインが消えて,撮影したのが写真(クリックで拡大)である.

それからしばらく経って,機内サービスが始まった.国内線では楽しみにするほどのサービスはないが,飲み物でひと息つきたいところだ.

早割+クラス・アップグレードで,お徳にゆったり気分を味わっていた.

前のシートの客へのサービスで,○○さまいつもご利用ありがとうございます,と聞こえてきた.

よほどの常連と思いきや,単に搭乗者名簿を見ながら名前で呼びかけていただけだった.

名前を知ってもらうことはうれしいことだが,読み上げるだけだとうれしさを感じない.不思議なものだ.

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2008年12月17日 (水)

イメージ通り

Mind Hacks ブログ 2008/9/27で,家族や友人は顔の魅力性判断に共通性が高いことが紹介されている

「改めて言われなくても実際そうだよ」と言う人もいるだろうが,知っていることであっても,それを明確に説明するのが科学の役割なのである.(改めて言われなくても分かっているのは女性に多い.それは,女性の方が観察力も勘も鋭いからである.この辺りについては機を改めて述べたいと思う.)

この件について僕は,未解決問題であると認識できていなかったことにショックを受けた.こんなに面白いテーマが,研究として価値ある問題として残されていたことをもっと早く知りたかったと思った.

顔と言えば,仕事上知り合って,名前のイメージにピッタリで驚いた人がいる.メールでのみ連絡を取り合い,声も聞いたことがないが,姓名から漠然とした勝手なイメージを抱いて初対面したら,モヤモヤとしたイメージの雲にすっぽりと収まる外見だった!

名は体を表わすというし,子どもの名付けに姓名判断を使う習慣も根強く残っている.名前は視覚情報ばかりでなく聴覚情報も含んでいるから,いい切り口が見つかれば面白い研究に発展するかもしれない.

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2008年12月10日 (水)

HM氏

脳科学,心理学の分野で広くそのイニシャルが知られていて,大概の教科書でその症状が紹介されているHM氏が2008年12月2日(米国コネチカット時間)にこの世を去ったそうだ.

当時HM氏はてんかんを患っており(氏27歳,1953年),まだ治療法がなかったために,実験的な手術に協力し,海馬などを切除した.術後HM氏は新しく物事を覚えることができなくなってしまった(健忘)が,多くの実験に協力し,記憶における海馬の役割などの解明に貢献した.

【情報源】
Thanks for the memories HM (Mind Hacks)
H. M., an Unforgettable Amnesiac, Dies at 82 (The New York Times)

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