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2008年10月15日 (水)

黒メール

僕にとって,テレビのゴールデンタイムは金曜23時〜27時である.

一週間で最もゆったりとテレビを楽しめる時間帯である.あんまりゆったりしすぎて,気がつくと1時間以上未来にタイムスリップしていることもあるが….

ゴールデンタイムの番組の一つ「爆笑問題の検索ちゃん」は,人間観察を趣味と仕事にしている僕にとって,人間行動や思考の貴重な事例集である.

ある日の放送で,「黒メール」なることばを知った.絵文字のないケータイ・メールをそう呼ぶのだそうだ.うまいネーミングだ.パソコンでは一般に絵文字を使わないから,顔文字のないメールが黒メールに相当するだろう.

先日,知人Fと話していたら,絵文字のないケータイ・メールや,顔文字のないパソコン・メールを受け取ると頭に来るそうだ.Fの表現の極端さを差し引いて考えれば,気持ちは理解できる.普段絵文字を使うパートナーからの黒メールに青ざめる男性心理と対比できるだろう.

つまり,絵文字や顔文字は表情の機能を十分に果たしている.これは感性豊かなコミュニケーションの観点から大変に興味深いことだが,まだWWW(Webブラウジングなど)が存在せず,もちろんインターネットということばもなく,海外とメールのやりとりをしていたのは一部の大学と企業のコンピューターだけで,利用者(大多数は大学人だったと思う)は,電話回線でそれらコンピューターに接続していた時代にメールを使い始めた僕にとっては逆に,無表情がメールの利点のひとつだった.

ビジネスライクに用件を書いてよかったし,そうするのが普通だった.またその頃は,文字通りメールであり,差出人は都合のいい時間に投函し,受取人も都合のいい時間に郵便受けを確認した.現在のように,送信する際に時間や相手の状況を気にする必要もなかった.

もっとも,その時代にも,顔文字の原型でsmileyと呼ばれる :-) など---首を左に90度傾けてみるとスマイルになっている---は使われ始めていたが,1通のメールに1,2回の使用が普通だったから,現在の絵文字文化とは一線を画していると思う.ちなみに,顔文字やsmileyを総称してemoticonと呼ぶそうだ.

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