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2001年9月

2001年9月 8日 (土)

実際に(その2)

「実際」に似ている単語は「現実」であり,「現実」の反対は「架空」である.では「実際」の反対は何だろうか? よく考えてみたり調べてみたけれど,いい答えが見つからない.「実際(に)」を接続詞ととらえるならば,それも頷ける.接続詞ならば反対語がなくて当然だからだ.

反対語がないなら作ってみよう.“実”の反対は“虚”だから,「虚際」はどうだろう.意味は「仮想的にシミュレーションあるいは思考実験をしてみること」となる.これほどコンピューターが浸透した現代ですら,映画の中以外では「虚際」の体験に基づいた話をすることはまずあり得ないから,前回のノオトに挙げた例では,現実の行為であることは疑問の余地がない.だから,「実際に」と付ける必要はないのだ.むしろ,現実の行為ではないときに「虚際に」とつけて内容を明確にすべきなのである.

「実地が大切だ.机上だけでは空論に終わりかねない.」というのは,ひと昔前に経験豊かなひとがくれた助言だった.机上とはデスクトップのことだ.現在ではデスクトップコンピューターで情報処理される虚際は実際を作り出したり理解するために欠かせないものになっている.だから今では,「いきなり実地では失敗しかねない.机上の虚際の吟味が大切だ.」の方がいい助言である場合も多いだろう.

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