« くさげ? | トップページ | マナーの時代および地域性 »

2000年12月 7日 (木)

分かっちゃいない

漢字と仮名を使っていることが日本の国際化の障害になっているという意見がある.が,最近では日本語をローマ字表記にしようという意見はあまり聞かれなくなった.おもなソフトウェアは英語版と日本語版がほぼ同時に発売されるし,OSの段階で多言語に対応していることも珍しくないので,漢字と仮名を入力および表示できないソフトを我慢して使うこともなくなったからだろう.しかも,世界の文字を統一的に取り扱えるUnicodeなる方式が普及してきた.

かといって問題がないというわけでもない.例えば大多数の欧米人は漢字,仮名というものを概念としてまったく把握していない——いるはずもない.だから日本人には当たり前の疑問を表明しても,ばかげた疑問だ,何を細かなことを気にしているのだ,と人格を疑われる可能性すらあるのだ.

ロナルド・レーガンが米大統領に就任した頃,新聞には「リーガン大統領」と書かれていた.が,しばらくすると一斉に「レーガン」と書くようになった.Reaganの読みはリーガンに近い方が一般的なのだそうで,マスコミはそう書き始めたのだが,元大統領の場合にはレーガンに近い発音をするということだったと記憶している.

ラテン文字(ローマ字)を使用している欧米人には想像もつかない事態である.

だから,発音は「レーガン,それともリーガン?」なんて質問したりすると,「どっちでもいいじゃないか.ひとによって若干の発音の違いはあるんだから,文字さえ正しく書いておけばいいだろう!気になるなら中間の発音でもしたらいい.まったく君のその発想の細かさにはイライラするよ!」なんていわれかねない.

これは,イタリアの学会で知り合ったドイツ人に,ある有名なドイツ人研究者の読みについて尋ねたときの体験を大げさに脚色したものである.

|

« くさげ? | トップページ | マナーの時代および地域性 »

ことば」カテゴリの記事

文化」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 分かっちゃいない:

« くさげ? | トップページ | マナーの時代および地域性 »